①有意義性:定量的な数値だけでなく、定性的な意義や価値を示しているか

 「◯年後に売上高で◯◯億円、シェア◯%で業界No.1、利益率◯%」といった、定量的な数値や財務・会計的な指標でしか定義されていないケースが散見されますが、これだけで共感を生むことはできません。「何のためにその数値を達成するのか?」「その数値を達成することがどんな価値を生み、どんな未来につながっていくのか?」といった定性的な意義や価値を示すことが必要です。

②貢献性:より良い未来や社会を創ることや社会課題の解決につながっているか

 ビジョンの策定では、外部環境の変化や社会動向を捉えながら未来を予測し、その未来において自社がどうあるべきかを考える。もしくは、未来が予測できないものだとしても、自社がどのような未来を創るべきかを考えることが不可欠です。その内容が、人類にとってより良い未来や社会を創ることにつながっているか、社会課題の解決につながっているかが共感を生むための重要な観点になります。

③具体性/独自性:誰もがイメージしやすく、自社ならではの「らしさ」があるか

 ビジョンの抽象度が高すぎたり、あまりにもとっぴで非現実的なため実現性に乏しく、ビジョンが実現した将来の絵姿がイメージできないものになってしまっていることも多々あります。また、具体性に欠けるが故にその企業ならではの「らしさ」が反映できていないという問題も併発します。仮に別の企業が同様のビジョンを掲げたとしても違和感がない場合、その企業の個性や特徴が埋没してしまっていると考えられます。

④実現性:実現に向けた時間軸やロードマップを設計しているか

 ビジョンの実現に向けて、どのくらいの期間で、どの程度の状態にするかという観点も欠かせません。いつまでに達成するのかという時間軸や、そこに至るまでのロードマップが設計されていない状態では、そこから逆算して自分たちが今何をすべきかが明確になりません。それでは、仮に共感を得られたとしても、実現に向けた具体的な実行や推進につながらないのです。

⑤透明性/公平性:意思決定はトップダウンでも、プロセスは透明でオープンか

 ビジョンの策定に関しては、検討の過程でミドルマネジメントや現場のメンバーの意見を吸い上げることがあっても、最後の意思決定は合議制ではなくトップダウンで行う必要があります。しかし、その結論や意思決定に至るまでの思考や検討のプロセスに透明性を持たせ、なぜそのビジョン策定に至ったかをオープンにすることで、ステークホルダーの納得感を醸成し、より強く共感を促すことにつながります。