これまで11回にわたり、空前のブームを深掘りしてきた特集連載「現代の茶室、サウナ」。ここまでお読みいただくと熱烈な「サウナー」はもちろん、これまであまり親しんでこなかった人も、そろそろZホールディングスの川邊健太郎社長のように自宅にサウナを設置して日常的にととのいたいと思い始めているのではないだろうか。今回はそんな憧れの「自宅サウナ」事情を紹介する。

 「長い間、業界を見てきたが次のトレンドは『サウナ付き物件』になるかもしれない」。こう話すのは不動産の仲介や中古物件を買い取ってリノベーションし、再販する事業などを手掛けるキズナファクトリー(東京・新宿)の稲垣慶州代表だ。

Zホールディングス・川邊健太郎社長の自宅に備えられたサウナ。窓からは千葉県館山市の海が一望できる
Zホールディングス・川邊健太郎社長の自宅に備えられたサウナ。窓からは千葉県館山市の海が一望できる

 「独立洗面台」「浴室乾燥機」「カウンターキッチン」……。人々が住居に求める設備は時代によって移り変わってきた。ただここに来て、サウナ付きの物件を求める人がじわりと増え始めている。キズナファクトリーは2021年、サウナ付き物件の紹介や自宅へのサウナ設置の相談などを提供するサービス「サウナ不動産」を始めると、開始から数カ月で700件以上の問い合わせなどが寄せられた。

 では、自宅にサウナを設置するにはどれくらいの費用がかかるのか。稲垣氏によれば、簡易的な遠赤外線を使ったサウナであれば初期費用は30万円ほどから、本格的なサウナは100万円ほどで設置できるという。サウナ用品国内最大手であるMETOS(メトス、東京・中央)のカタログを見ても、1人用の本格的なサウナは150万円ほど(別途工事費)で手に入る。ただ、メンテナンスなどの手間がかかるほか、設置に際し行政への申請が必要になる場合もあり、ハードルは高い。

 こうしたハードルを解消するのがレンタルやリースを活用する方法だ。必要な申請などを代行してくれる業者も多く、費用も月額約2万円からと、購入に比べ負担感は少ない。

バルコニーへの設置はNG

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