フィンランドのサウナ機器世界最大手ハルビアは、世界中でのサウナ需要の高まりを受け、21年12月期の売上高が前期に比べ64%増加した。フィンランドだけでなく、欧州各国や北米で販売を伸ばし、日本での販売にも力を入れている。

 ハルビアはどのように世界最大手に上り詰めたのか。タピオ・パユハルユ最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。同社の経営から、世界のサウナ市場の動向が見えてくる。

ハルビア最高経営責任者(CEO)のタピオ・パユハルユ氏。1963年生まれ。複数の企業で取締役やCEOを務めた後、2014年から16年までハルビア取締役。16年、ハルビアCEOに就任。(写真:Chikako Harada)
ハルビア最高経営責任者(CEO)のタピオ・パユハルユ氏。1963年生まれ。複数の企業で取締役やCEOを務めた後、2014年から16年までハルビア取締役。16年、ハルビアCEOに就任。(写真:Chikako Harada)

21年12月期の売上高は前期比64%増の1億7910万ユーロ(約245億円)と急成長を遂げました。どのような戦略が、好決算に寄与したのでしょうか。

タピオ・パユハルユCEO(以下、パユハルユ氏): まず、私たちは3つの戦略を掲げました。製品に付加価値を付けること、ストーブだけでなく部品も売ること、業績が伸び続けたら規格を統一したサウナルームの販売を始めることです。

 私たちはサウナストーブの製造企業としてスタートしました。サウナ市場全体では、ストーブが占める価値はおそらく10~15%です。私たちは売れるものはすべて売ろうとしています。売り上げのターゲットを、市場の15%を占めるストーブ分野から、サウナ市場全体(100%)に徐々に広げてきました。そして今、サウナルーム事業も成功しています。

 その上で、新たな地域を開拓し、流通ネットワークを広げています。米国や欧州のいくつかの国と南半球の国がその対象です。新型コロナウイルスの感染拡大によりこれらの国々では都市封鎖(ロックダウン)が導入されましたが、今は経済が再開し始めています。売り上げの増加にはそうした複数の要因があります。

多くのメーカーがサウナストーブを製造しています。他のメーカーや製品との違いは何でしょうか。

パユハルユ氏:こういう言い方をしていいのか分かりませんが、私たちはサウナ業界のトヨタ自動車と呼ばれています。基本的に製品は非常に実用的で高品質、とても安全です。トヨタのヤリスのような小さい製品も作りますし、またランドクルーザーのように大きな製品も作ります。また、製品の幅を広げるために高級サウナメーカーのドイツEOSを買収しましたが、これはレクサスに当たるでしょう。

 機能性、品質、安全性において、ハルビアの製品は大変優れています。また、価格もリーズナブルでコストパフォーマンスが高い製品です。また、日々サウナ製品を扱う企業にとっては、技術的なサポートやサービス、耐久性が大変重要になってきます。そうした企業が問題を抱えた時には、私たちは質の高い技術サービスとサポートを提供します。

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