サウナ大国フィンランドは、サウナ機器世界最大手のハルビアを生み出した。世界中でサウナの需要が高まり、2021年12月期の営業利益は前期比93%増の4730万ユーロ(約65億円)で営業利益率は26%に達する。急成長を遂げる同社の本社工場を取材した。

フィンランド中南部のムーラメにあるハルビアの本社(写真:Chikako Harada)
フィンランド中南部のムーラメにあるハルビアの本社(写真:Chikako Harada)

 フィンランドがサウナ大国であるのは、その生活への浸透ぶりだけではない。旺盛な需要はサウナ関連機器メーカーを育て、今や同国を代表する輸出産業となっている。その象徴であるのが、サウナストーブを中心とするサウナ機器メーカーで世界最大手のハルビアだ。

 同社はこの数年、急成長を遂げている。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だ。2020年と21年に多くの国でロックダウン (都市封鎖)などで行動が制限され、自宅での生活を充実させるためやスポーツ施設の付加価値を高めるためなどの理由によりサウナの発注が激増した。

 特にドイツや北米などグローバルで販売台数を伸ばした。結果として、地域ごとの売り上げが多様化している。全体売上高に占める各地域の割合はフィンランドの21%とドイツの20%が突出しているが、それ以外の欧州各国で28%、北米が18%とバランスが取れている。

 21年に日本のバーグマン(東京・港)と販売代理店の契約を結び、札幌市にショールームを開設するなど日本市場への攻勢も強めている。スキージャンプで数々の実績を上げ、世界で「レジェンド」と呼ばれる土屋ホームの葛西紀明選手兼監督がハルビアのアンバサダーを務め、知名度も向上させつつある。

ハルビア本社の展示室。家庭用の小型ストーブから、施設向けの大型ストーブまで多様な製品をそろえる(写真:Chikako Harada)
ハルビア本社の展示室。家庭用の小型ストーブから、施設向けの大型ストーブまで多様な製品をそろえる(写真:Chikako Harada)

 世界での旺盛な需要を受け、21年12月期の売上高は1億7910万ユーロ(約245億円)で、前期に比べ64%も増えた。ロシアのウクライナ侵攻で2月下旬に売上高の約6%を占めるロシア事業を停止したものの、世界中での需要増は続いており、22年1~3月期の売上高は前年同期比79%増の5080万ユーロだった。

 3月下旬、日経ビジネス取材班はフィンランド中南部のムーラメにあるハルビアの本社を訪れ、タピオ・パユハルユ最高経営責任者(CEO)をインタビュー(次回掲載)し、工場を取材した。パユハルユCEOはまず、本社の展示室にある家庭用の小型ストーブから施設向けの大型ストーブまで多種多様な製品を説明してくれた。

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