妻にせがんだ「サウナストーブ」

川邊氏:10年ほど前に千葉県館山市へ移り住んで、それからどんどん思いつくままに自宅の機能を拡張しているんです。
そんな中、結婚をしまして、妻に指輪を贈った。妻は指輪なり時計なりをお返ししようかと言ってきたのですが、僕は金属アレルギーなので指輪はあまり身につけられない。スマートフォンが普及してからは時計をつける習慣もなくなった。指輪も時計もいらない、でも一生使えて、しかも日々もらってうれしいと思える何かがほしい。そこで思いついたのがサウナストーブでした。サウナ室は自分で造るから、サウナストーブを指輪のお返しとしてプレゼントしてくれないかとお願いしたんです。
自宅にサウナを設けてからは、サウナは自宅で楽しむことが多いのでしょうか。
川邊氏:外でも入りますけどね。仕事の都合などで東京に泊まることも多いので、そこでサウナに入ることもあります。旅行先でもサウナがあれば入ります。年末に家族旅行で「リゾナーレトマム」(北海道占冠村にある星野リゾートが運営する宿泊施設)に行ったのですが、各部屋にサウナが付いていたんです。1日に5回くらい入っちゃいましたよ。
川邊さんにとっての人生最高のサウナはどこですか?
川邊氏:やっぱり自宅に造ったサウナでしょうか。これまで散々入ってきた経験を生かして工夫を凝らしたので、最高です。
サウナは本来ウエットな(湿度が高い)ものなんですよね。ただ商用のサウナはメンテナンスのしやすさからか、(湿度が低い)ドライサウナが多い。うちのはサウナストーブも水を自由にかけられるものを買いました。
ウエットなので温度をそこまで上げなくても十分に汗をかける。そしてサウナ室は海の目の前なので景色がいいんですよ。そして水風呂代わりに海へ飛び込む。「世界最大の水風呂」がコンセプトです。おかげで通年、海を楽しめるようにもなりました。
サウナがあることで余計に館山という立地の良さを楽しめているわけですね。
川邊氏:夜、海に漂っていると月がきれいに見えるんです。満月のときには月見しながら水風呂を楽しむ、みたいな。最高です。
チームワークを育む場に
自宅にビジネスパートナーを呼んで一緒にサウナに入る、みたいなことはあまりしないのでしょうか。
川邊氏:自宅は先ほども話した通り、サウナだけでなく、バーベキューやキャンプファイアができるスペースを設けるなど拡張し続けています。その前提にあるのは仲間を呼んで楽しめる場をつくりたい、ということです。社員同士での合宿で使ったこともあります。2015年に実施したスマートフォン版「Yahoo! JAPAN」トップページのタイムライン化を検討し始めた時の最初のアイデア出しをうちでやったことが印象に残っていますね。
あとはベンチャー企業の20代の経営者を自宅に集めて、年に1回、あるボードゲームの大会をやっているのですが、ゲームに興じた後はみんなでサウナに入ります。経営者仲間が自宅へ遊びにきて、バーベキューしたり、海で遊んだり、サウナに入ったり、なんてことも。自宅にサウナができたことで、みんなで遊んだり、チームワークを育んだりする場としての充実度が増すというか、機能が高まっているとは思います。
サウナが人と人の距離をより近づけているわけですね。
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