総合スーパーは終わったのか

 事実、今、イオンは苦しんでいる。前期(2009年2月期)の連結決算は7期ぶりの最終赤字に転落。10月に発表した今期の第2四半期決算も最終赤字だった。「下期で挽回は可能」(イオン)として、通期の業績予想は期初と変わらず黒字予想を貫いているものの、年末商戦次第では前期に続いて2期連続赤字の可能性もある。

2007年、かつて小売業日本一だったダイエーへの出資を決め、グループの売上高は6兆円を超えた(写真:時事通信)
2007年、かつて小売業日本一だったダイエーへの出資を決め、グループの売上高は6兆円を超えた(写真:時事通信)

 過去に買収した海外の衣料品専門店「タルボット」の赤字が大きいこともあるが、業績低迷の根底にあるのが総合スーパーのジャスコを中心とする小売事業だ。SCのテナント賃料を収益源とするデベロッパー事業が安定的に利益を稼ぎ出しているのに比べ、本業である総合小売事業はほとんど利益を出していない。

 もっとも苦境に立たされているのはイオンだけではない。衣食住をトータルで扱う総合スーパーは各社とも業績が落ち込んでいる。第2四半期決算では、セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が営業赤字になり、ユニーも連結最終赤字に転落した。かつての稼ぎ頭で、利幅の大きい衣料品は「ユニクロ」を中心とする専門店に顧客を奪われた。食料品専業のスーパーならまだしも、食品の薄い利益だけでは総合スーパーの巨大な組織を維持する費用を賄い切れない。流通業界関係者の中には「総合スーパーの役割は終わった」と言い切る人も多い。

 実は、岡田は就任当初から総合スーパーの先行きに危機感を持っていた。1999年の時点で、当時、急速に業績を拡大していたユニクロを引き合いに出し、「あちらが1900円で売っているのに、多少品質がいいからといってうちが2900円で売ったら売れない。価格の基準が変わっているのに、スーパーは対応できていない」と話している。

 その発言は10年後の今もそのまま当てはまる。結局、イオンに限らず総合スーパー各社はこの10年間、危機感はあっても変革することができなかった。ライバルのイトーヨーカ堂にしても、傘下に「セブンイレブン」という急成長事業を抱えたことが逆にあだとなり、収益力低下が覆い隠された。

 一方のイオンはどうか。現在、同社が運営する大型SCは全国で100カ所超に上る。そのほぼすべてに総合スーパーが入る。この10年間、SCを作れば同時にスーパーの店舗数が増え、売上高が拡大していく構図が出来上がっていた。だがそれは総合スーパーの延命でしかなかった。それは岡田自身が認めるところだ。「時間稼ぎをしている間に抜本的な改革をすべきだったが、結果的にできなかった」(岡田)。

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