問 非核三原則にこだわることが国際分担の障害になるのでは。
答 日本は憲法を守っていこう。非核三原則は守る。武器輸出はしたいけれどしません(笑い)、ということだ。武器輸出については鉄板を輸出したら装甲車の鉄板に使われるんじゃないかというような野党発言は困る。こんなもの武器輸出といわれてたまるか。メチャクチャだ。国際的にはこんな議論は通りませんよ。
日本は兵隊を送れないかも知れないという国際理解はある。しかし、石油資源の99%は米国の第七艦隊が現実に守ってくれているのだから日本はどういう分担をするかという話になるよね。そうなるとイランなどの国に経済復興基金として100億ドルずつ出すとか物資を提供するとか、それもしなかったら輸送船を出すか、沿岸警備隊を作るとか、あるいは鉄砲ぐらいは日本がつくる。ところが日本は国際会議で要求されても兵隊も軍艦も出さない。トラックも出さない。そういうわけにはいかない。世界平和維持のため何か応分の協力が必要だ。
問 非核三原則は3原則のうち、持ち込まずを修正、寄港と領海(領空)通過は認めるという、いわゆる2.5原則に直すべきという議論もあります。
答 非核三原則は「作らず」「持たず」「持ち込まず」なんだよ。それを「持ち込ませず」にしたんだな。そこが政治的なんだ。「持ち込ませず」というのは形式をうたっているわけだが、実は大変なんです。警察権で凶器を「持ち込ませず」というのとはわけが違う。信頼ある世界最大の国、米国との協定なんだから、米国が核ミサイルを積載していないというなら、それは積んでいないんだよ。
ソ連は軍縮をやっていますと言いながらどんどん戦車を作っているんだ。そこがなかなかむずかしいんだな。日本人というのは夫婦でありながらなお「浮気はしません」と一札書けという。そういうことを書いてほんとうに価値があるのかどうか(笑い)。
頭隠して尻隠さずじゃなく、頭まで出している日本の防衛体制
問 NATO(北大西洋条約機構)には核がある。核を認めない安保条約は実質的に機能しないのではないか。
答 スペイン沖で米軍が4,5回水爆を落としている。積んでいなけりゃ落ちるわけないんだけどね。日本とNATOの違いは、日本は駐留軍はいてほしいが核兵器や原爆は困る。ところがNATOは兵隊はいなくていいから原爆は置いてくれ。戦争に対する考えが違うんだ。日本の戦争感覚は駿河湾に地震が起きても東京湾には起きまいというヤツだな。NATOの国々はソ連と地続きだから、明日の朝、別の国旗の下に生きて行かなければならないということもある。その辺が日本と違うんだな。
仮に米軍が本当に核を持ち込んでいなかったら、日本は一体、どうなるんだということもいえるよ。米国の核の傘の下にあるということになってるんだからね。日本の防衛体制は頭隠して尻隠さずじゃなく、頭まで出しているということだ。
問 欧州を中心に保護貿易主義的な動きが強くなっていますね。
答 保護貿易主義の傾向はあります。特に欧州はゼロ成長でこの傾向が一段と強い。しかし、日本は欧州に対し貿易のウエートは非常に小さい。問題は米国ですよ。米国との間では、いすゞと、世界的なGMが正式に提携してから10年になります。北海道の苫小牧にも工場を作り、拠点を設けた。これは歴史的なことだと思う。
日米間はこうあるべきだね。日米は一体で日本は米国のパートナーです。話し合いをしなくちゃいかん。日米首脳会談なども、開くことに意義がある。信頼の確認、友情の確認でいいんです。
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