誤りは許せるがウソは嫌だネ
問 25年やってこられて、自分をどうみていらっしゃいますか。
答 私の周囲の人達は過去を思い出してもみんな良い人ばかりでした。副社長はじめ、みんな良く協力もしてくれたし……。
私が何でも知っていないからですネ。何かちょっとやると、とんまで間抜けなことをやるもんだから一生懸命やってくれたんでしょう。やっぱり、何でもかでも、自分でやって、抜け目のない人というのは周囲が大変だろうネ。間抜けの方がきっと愛されるんじゃないかな。
問 レパートリーが広いということはあまり幸福なことじゃない……。
答 かも知れませんネ。大体、人間なんていくらできるといったって、一人じゃ間抜けが多いですよ。むしろ、できるやつほど間抜けなことが多いんじゃないのかなあ。できなきゃ、ちゃんと救ってくれるから人からみれば満足にみえるんだと思うね。そういうところがおれの落ちだなあ。
問 仕事をやってこられて一番腹の立つことはどういう点ですか。
答 誤りはへっちゃらだが、うそをつかれるのは嫌だネ。
経営は賭けじゃありませんよ
問 子供の頃、親から言われたことで一生の間、影響を受けたというふうなことはありますか。
答 親父からいわれたことに賭け事はやっちゃいかんということがあった。女に惚れたりするのは相手があることだから時期がくれば直る。ところが、賭けは死ぬまでやると言うんですよ。だから私は昔から全然手をつけたことはない。頭が悪いとみえて覚えないんだ。
問 企業の経営にはある意味で賭けが必要じゃないでしょうか。
答 経営は賭けじゃないですよ。そう思ったら違うですネェ。
問 意思決定にどちらかを取る。リスクに賭けるとかいうふうな。
答 賭けってやったことないから、賭けじゃないと思う。だけどネ、どっちをとるかといえば、いままでの経験に照らして決めます。それが僕のやり方だったもんな。
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