(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)

 「最後発なのに、なぜ経費精算サービスに参入しようと思ったのですか?」。これは、LayerXに対してよく投げかけられる質問です。なかには「最後発だから勝てないのでは?」という人もいらっしゃいます。

 我々が展開する「バクラク」シリーズは、請求書やワークフロー、経費精算といった経理周りの業務を効率化するサービス。経費精算に関しては最後発でスタートしていることはもちろん認識しています。ですが、少し異なる捉え方をしています。

 そもそも「最後発のサービス」といわれるものは、ほかにもいくつかあります。その全てが「最後発だったから失敗した」かというと、そうではない。むしろ先発でリリースしていたサービスとは違うニーズやユーザー体験で課題を解決し、売り上げを伸ばし続けているものもあります。

 例えば、ヤフーが提供するネットオークションサービス「ヤフオク」に対する、メルカリのフリマアプリ「メルカリ」。個人や法人がネットを通じて自由に出品して売買するサービスという点を考えれば、ヤフオクは先発でメルカリは後発になります。ただ、そこには明確な違いがあります。それは「パソコン(PC)か、スマートフォン(スマホ)か」です。

 ヤフオクはPCでの出品が中心で、かつオークションだったため落札=購入できるまでに多少の時間を要していました。一方のメルカリは、スマホでパシャッと写真を撮って出品でき、即時購入も可能。以前はPCが主流だったためほとんどのシェアをヤフオクが占めていましたが、スマホで完結できるようになり、メルカリのニーズが急速に高まりました。最後発だったはずのメルカリは、ヤフオクができなかった「簡単な出品」をスマホ登場の波に乗って大きく躍進したといえます。

 この事例から見ると、最後発でサービスをスタートさせること自体はそれほど問題ではありません。ただし、何か新しい要素がないと成功は難しい。

 ではLayerXの場合、最後発でのスタートをどう捉えたのか。たどり着いたのは、法人支出管理(Business Spend Management、以下BSM)の構想でした。

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