(写真=的野弘路)
(写真=的野弘路)

 「ユーザーの声を生かして経営をする」。これはLayerXが創業から一貫して重要視しているスタイルです。

 こう書くと「ユーザーに向き合っている企業」という捉え方をしていただけるかもしれません。しかし、実際のところはきれい事ではなく、あくまでもLayerX(レイヤーX)の利益につなげるため、ただただ貪欲に、泥臭く続けてきただけのことなのです。

 私は前職であるGunosy(グノシー)を経営している頃からユーザーの声を重視していました。LayerXでも、クラウド上で請求書処理ができる「バクラク請求書」の前身である「LayerX インボイス」の開発時代からユーザーの声を聞くことを徹底しています。ではどのようにして声を聞くのか。まずは「紙芝居を使ったヒアリング」から始めます。

 「紙芝居」とは、サービス内容や流れが分かる絵面を切り取り、パワーポイントに当てはめた資料のこと。イメージをつかんでもらうことが目的なので内容は簡易的ですが、私たちLayerXはこの紙芝居をもとにヒアリングや提案をしていました。

 とはいえ、ずっと紙芝居を使ってヒアリングをしていたわけではありません。紙芝居はヒアリングには有効ですが、実際にサービスを導入してもらうための決め手にはならないからです。

 サービス内容を知る段階では多くの企業が「いいね!」と言ってくれます。でも、実際に費用が発生すると分かるとそうはいきません。そのため導入の提案やヒアリング時は、実際に動くサービスと費用感を見せながら話し合いをしていました。そうすると、紙芝居のヒアリングでは得られないシビアな回答が返ってくるのです。

 それに対して私たちは、ひたすら次のような質問を100社以上の企業に投げかけ続けてきました。

 「私たちはこれで課題解決できると思っているが、実業務の中でどんなギャップがありますか」
 「この機能をこの課題に使ったとき、どのくらい業務は楽になりますか」
 「この機能に値段をつけるならいくらだと思いますか」

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