ケース4:子どもが自然に挨拶できるようになる塾
交通標識や街中の案内など、視覚によって情報を伝えるというやり方は、私たちの生活に深く根付いています。
そしてこれは、職場からミスを無くす仕組みづくりにも十分活用できるのです。
コロナ禍の中にあって、対人距離の確保のため、スーパーマーケットなどの店舗でレジ前の床に「ここでお待ちください」という線が引かれているのがよく見られます。
これもまた、視覚に訴える指示の1つです。
視覚に訴える事例をもう1つご紹介しましょう。
「子どもがちゃんと挨拶をできるようになる塾」と評判の学習塾がありました。
しかし、先生たちは「ちゃんと挨拶をしましょう」と子どもたちに指導しているわけではありません。
なぜなら、それは具体的な行動を示す言葉ではないからです。
言葉の壁には「視覚」も有効
何をしたかというと、教室の入口の床に「あいさつ線」という線を引き、塾に来た際には「その線で立ち止まり、大きな声で『こんにちは』という」という行動を習慣化させたのです。
操作手順を示すため、機械のボタンに扱う順番の番号を振っておく。工場内で迷わないように、工場全体の地図を掲示しておくなど、一見単純に思えることでも、ミスや事故を防止する具体的な指示として視覚的支援には大きな効果があります。
特に、言葉の壁の問題がある外国人従業員に対して、このやり方はとても有効です。
人に行動を指示する際には、具体的にどう行動すればよいかを示すことが必須です。
しかし、それが言葉で伝えづらい場合には、相手の視覚に訴えかける工夫も取り入れてみましょう。
シリーズ累計40万部超のロングセラー『教える技術』の著者で、行動科学マネジメントの第一人者が、職場からミスを無くす科学的方法論を豊富な事例と共に解説。
部下の“不始末"に日々アタマの痛い全リーダーの必読書。もちろん「自分のミス」を無くしたい人にもおすすめ!
石田淳(著) 日本経済新聞出版 1650円(税込み)
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