キーエンスの強さは人材だが、一人ひとりが傑出しているわけではない。特徴は「弱さ」を見つめて克服し、組織でのパフォーマンスを高めたことだ。その姿は、江戸時代の常識を覆した「奇兵隊」に通じる。
■掲載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)驚異の営業利益率55%、時価総額国内3位 キーエンスの強み
(2)キーエンス シェア獲得の武器は神出鬼没の営業パーソン
(3)キーエンス 1000本ノックで鍛える営業力、囲い込みは「ダサい」
(4)「予定は1分刻み」「接待厳禁」 キーエンスの豆知識
(5)ローソンも飛びつくキーエンスのソフト データ分析が次の鉱脈
(6)三菱商事もうらやむ高年収 驚異の数字が語るキーエンスの実力
(7)キーエンスは現代の「奇兵隊」 習慣化で弱さ克服(今回)
「あの人たちの付加価値はもう人。彼らのすごい提案力です。うちの設備を開発している者たちもコロッとやられるんですわ」。電子部品の雄、村田製作所の中島規巨社長は取引先であるキーエンスの組織力に脱帽する。製造業のデジタル化に詳しい野村総合研究所の小宮昌人主任コンサルタントも「経営層にささる提案力は絶大。キーエンスほど顧客価値の最大化を図れるメーカーは見当たらない」と話す。
1日最低5件以上の顧客訪問、分刻みのスケジュール管理、外出報告書に基づく討議──。キーエンスには受注をもぎ取る方程式がある。その道を極める過程で彼らがこだわってきたのは、「顧客が欲しいというものは作らない」というポリシーだ。
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この記事はシリーズ「解剖キーエンス 最強企業の“人づくり”」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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「あまりに普通で、取材しがいがないでしょう」。あるキーエンスOBはこう言っていた。確かにとっぴなことをしているわけではない。だが、普通じゃない部分があった。とにかく手を抜かないのだ。「当たり前のことを当たり前にやる」。社員やOBがそう表現する背景には、行動を変えるための巧妙な仕組みがあった──。日経ビジネス記者が徹底取材でキーエンスの“仕組み”に迫った書籍を刊行しました!
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