キーエンスが工場の「外」に飛び出し、ITベンダーのお株を奪おうとしている。 営業活動を効率化するためにデータ分析ソフトを自社開発し、外販も始めた。 現場で役立つ生きた経験則を学びたいと、多くの企業が飛びついている。
■掲載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります
(1)驚異の営業利益率55%、時価総額国内3位 キーエンスの強み
(2)キーエンス シェア獲得の武器は神出鬼没の営業パーソン
(3)キーエンス 1000本ノックで鍛える営業力、囲い込みは「ダサい」
(4)「予定は1分刻み」「接待厳禁」 キーエンスの豆知識
(5)ローソンも飛びつくキーエンスのソフト データ分析が次の鉱脈(今回)
(6)三菱商事もソフトバンクも尻目 数字が物語るキーエンスの実力
(7)顧客すら知らない価値発見 キーエンスの強さは習慣化
京都府内外に132店舗を持つ京都中央信用金庫(京都市)。各店舗からは日々、顧客の膨大なトランザクション(行動履歴)データが集まってくる。年齢や年収で顧客を分類し、誰がいつどれぐらい預金を引き出したか、どのタイミングで借り入れの相談に訪れたかといった情報だ。
同信金ではこうしたデータを分析。投資信託の販売や融資契約につながった傾向を洗い出し、営業先を絞る「顧客ターゲティング」を2021年から始めた。使うのはキーエンスのデータ分析ソフト「KIシリーズ」だ。

従来は「勘と経験」に頼った営業だった。「預金が多いから投資信託を買ってくれるだろう」「20~30代の顧客はインターネットバンキングを契約してくれやすい」といった具合だ。だが営業は非効率で、因果関係を説明できない事例も無数にある。
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この記事はシリーズ「解剖キーエンス 最強企業の“人づくり”」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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「あまりに普通で、取材しがいがないでしょう」。あるキーエンスOBはこう言っていた。確かにとっぴなことをしているわけではない。だが、普通じゃない部分があった。とにかく手を抜かないのだ。「当たり前のことを当たり前にやる」。社員やOBがそう表現する背景には、行動を変えるための巧妙な仕組みがあった──。日経ビジネス記者が徹底取材でキーエンスの“仕組み”に迫った書籍を刊行しました!
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