解剖学者の養老孟司先生の「子どもが自殺するような社会でいいのか?」という問題提起からスタートした本連載。なぜ今、子どもたちは死にたくなってしまうのか。社会をどう変えていけばいいのか。課題を一つずつ、ひもといていく。
「脳化社会」とも呼ぶべき、今の情報化社会において、子どもがノイズ扱いされていることを、前回指摘した。しかし、情報化社会においてノイズとなり、排除されるのは、子どもだけではないという。
(取材・構成/黒坂真由子)
養老孟司氏(以下、養老):ノイズ扱いされているのは、子どもだけではありません。大人も同じです。情報化社会では、「身体」はすべてノイズなんです。そして身体だけでなく、「変化するものはすべてノイズ」とみなす社会に、私たちは生きているのです。
「変化するものがノイズ」? それは、どういうことでしょうか。

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