「子どもの自殺について語り合いたい」 ―― 解剖学者の養老孟司先生による問題提起から、この連載はスタートしました。「私たちは、子どもたちが幸せになれる社会をつくれるのか。統計上、子どもの自殺は増えており、私たちの社会は今、子どもが死にたいと思うような社会になっている。これは異常な社会である」。子どもの自殺を起点に、脳化社会(情報化社会)や近代日本人の自我の問題など、議論すべきトピックは多岐にわたります。子どもが死にたがる社会でいいのか。なぜ、子どもが死にたくなるような社会になってしまったのか、何をどう変えるべきか。子どもの自殺は、現代社会のひずみの象徴でもあります。養老先生と一緒に考えてみませんか。(写真:ユニフォトプレス)
シリーズ
養老孟司と「死にたがる脳」

全8回
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養老孟司氏「なぜコロナ禍で子どもたちは死にたがるのか?」
解剖学者の養老孟司先生と「死にたがる子どもたち」について考えます。私たちの社会が今、子どもが死にたいと思うような社会になっているのは、統計からも明らかな事実。何をどう変えたらいいか?
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養老孟司氏、なぜ「本人」がいても「本人確認」するのか?
解剖学者の養老孟司先生が、「死にたくなる人が多い今の社会」のかを考察します。現代社会において、生身の人間はノイズ扱いされる。身体の代わって大事にされるものとは? それは「情報」。
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養老孟司氏、なぜ日本人は「自分で決めたくない」のか?
今の日本が子どもにとって生きづらいのはなぜ? 養老孟司先生と考えます。西洋と違って「普遍的な自己」という概念がないのが、日本の伝統。日本の子どもに個性と自己実現を求めていいのでしょうか。
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養老孟司氏、人はなぜ「自分の命は自分のもの」と思い込むのか?
なぜ今、日本で子どもの自殺が増えているのか? 養老孟司先生と考えます。自殺をするのは「自分の命は、自分のもの」だと思っているから。日本には、キリスト教のような自殺を禁じる思想もなく……
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養老孟司氏、なぜ子どもは「theの世界」を生きるのか?
養老孟司先生は「子どもは感覚的である」といいます。しかし、この場合の「感覚的」とは、一般に使われる「感覚的」とは意味が異なるそうです。どう違うのでしょうか? 「theの世界」と「aの世界」を解説します。
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養老孟司氏、「正義」が対立を呼ぶのは感覚に戻せないから
養老孟司先生は、子どもは「感覚的」であり、「theの世界」を生きているといいます。どういうことでしょうか? 感覚が捉えるリンゴと、概念としてのリンゴ。概念としての正義と、絶対音感。多面的に解説します。
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養老孟司氏、なぜ「他人が自分をどう思うか」を気に病むのか?
解剖学者の養老孟司先生と「なぜ今、自殺する子どもが増えているのか?」を考えてきた本連載。今回は課題解決の方法を考えます。自然のなかで遊ぶと他人の視線から解放されるなど、大人の心もラクになるヒントが。
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養老孟司氏、「どうせ自分は変わる」が心をラクにする
解剖学者の養老孟司先生と「なぜ今、自殺する子どもが増えているのか?」を考えてきた本連載。最後に課題解決の方策を探ります。発達障害と農作業、飼い猫の効用、今「死にたい」と思っている人に伝えたいこと。
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