日経xwomanでは2022年10~11月に「女性のキャリア(働き方)意識調査」アンケートを実施。3791人の回答結果から、働く女性のキャリア意識を、男性への調査の結果とも比較しながらひもといていきます。今回は組織のダイバーシティ推進がもたらす、人材確保への影響について。ダイバーシティの先進組織で働く人は組織への帰属意識やキャリアアップ志向が強く、多様性推進が人材確保に好影響をもたらすことが見えてきました。

※記事中では、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)などの施策をまとめて「ダイバーシティ」と表記。組織とは企業や政府、自治体などを指します。
※記事中のグラフは四捨五入の都合上、合計が100%にならない場合があります。
※調査概要は本記事4ページ目をご参照ください。

ダイバーシティは優秀な人材の確保につながる

 ダイバーシティ推進にはさまざまなメリットがある。多様な人材が力を発揮することでイノベーションが促進される、ガバナンスが強化される、ESG(環境・社会・企業統治)投資マネーの呼び込みが期待できる……などだ。中でも、多くの組織に当てはまる直接的なメリットは「優秀な人材の確保」だろう。

 日経xwoman「女性のキャリア(働き方)意識調査」では、ダイバーシティの推進に関して、どのような方針の組織で働きたいかを聞いた。最も多かった回答は「すでにダイバーシティの推進をしている組織で働きたい」(40.6%)。次いで「ダイバーシティの推進に、前向きに取り組もうとしている組織で働きたい」(37.9%)だった。回答した女性の7割以上が、ダイバーシティ推進に積極的な企業で働きたいと考えている

 ここで気になるのは、この傾向が女性特有のものなのか、性別を問わないのかという点だ。そこで今回、日経xwomanでは、日経ビジネス電子版のメルマガ読者(男性)にもアンケート調査を行い、同じ質問をした(有効回答数/男性179人、平均年齢53.6歳、22年10~11月実施)。

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