出社した津守課長は早速、自身の仕事を見直し、誰に、何を任せるかを検討した。そして、個別に部下と面談をして話し合った。

津守課長:じゃあ、よろしく頼むよ。やり方は任せるから、困ったことがあれば遠慮なく相談してくれ(心の中で“エンパワービーム”を発射!)

(イラスト:平戸三平)
(イラスト:平戸三平)

 仕事を任された部下たちは、「津守課長が自分たちに任せるなんて」と半信半疑の様子だった。だが、ミスをしても以前のように頭ごなしに責めることなく、一緒に改善策を考えるといった姿勢に接し、少しずつ信頼を寄せるようになっていった。そして半年後の360度フィードバックでは、権限委譲に関するポイントがわずかながら上がっていた――。

津守課長:もう少しいい評価を期待していたんだけどなあ。

インスパイアマン:評価が少しでも向上したのは、エンパワーメントがうまくできている証しだと考え、自信を持ったらどうだ?

津守課長:自信とまではいかないけど、“影のヒーロー”として部下を支えられるようになってきている気はします。業績は少し下がったものの、部下たちの表情は以前より明るくなってますし。

インスパイアマン:それはいい兆しだな。

津守課長:はい、また半年後の結果を楽しみに頑張ります!



 権限委譲/エンパワーメントは、部下が自ら成長し、結果を出せるチームをつくるために欠かせないものだ。自分で考え行動できる部下が増えることで、リーダーはより重要な仕事、リーダーにしかできない仕事に時間を使えるようになる。部下に仕事を任せず、事細かに指示を出していれば、部下は「言われたことだけやればいい」と考えがちだ。それでは部下は成長せず、チームの成果も上がらない。いっそうマネジメントに注力し、リーダーとして成長するためにも、積極的にエンパワーメントを考えていこう。

(次回、最終回のテーマは「働きやすさ vs 働きがい」)

(構成:田村知子)

この記事はシリーズ「「自走するチーム」って、どう作るの?」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。