――数カ月後、未来企画推進課に再び現れたインスパイアマン。

 よどんでいた空気は一掃され、壁には馬田課長とメンバーたちの写真とともに「俺たち、エクスペンダブルズ!」と書かれたポスターが張られていることに気づく。

インスパイアマン:やあ、馬田課長! ずいぶん課の雰囲気が変わったじゃないか。それに、このポスターはなんだ?

馬田:インスパイアマン! その節は目標設定の「SMART」モデルを教えてくれてありがとうございました。おかげさまで、課としても個人としても目標が明確になって、お互いにサポートし合いながら、新規プロジェクトを提案するまでになりました。私からのトップダウンではなく、皆で話し合うところからスタートしたのがよかったようです。特に我々は似たような境遇にいましたから。以前は「閑職に追いやられた」と思っていたメンバーも、「エクスペンタブルズ」を名乗って士気を高めているんですよ。こんな映画みたいなポスターまで作っちゃって(笑)。

【説明しよう】
「エクスペンタブルズ(The Expendables)」は米国のアクション映画。監督・主演を務めるシルヴェスター・スタローンが、同時代に活躍した往年のアクション俳優らを集結させ、最強の傭兵(ようへい)軍団「エクスペンダブルズ(消耗品集団)」として描いた人気シリーズ。自分たちを「役職定年者の寄せ集め」と卑下していた未来企画推進課のメンバーたちは、今では一転して(昔さながらの活躍を見せる)エクスペンダブルズに重ね合わせ、目標を達成しようとしていたのだ。

インスパイアマン:なるほど! 発想の転換で前向きにチャレンジできるようになったのは素晴らしいことだね。ネガティブな感情は心身を疲弊させるし、視野を狭めて可能性を閉ざしてしまう。ポジティブな発想を持つことができれば、大きな可能性が開けるはずだ。

馬田:確かにそうですね。最近は目標達成を目指すことで、その活動自体から充実感を得られている気がします。このままいけば目標達成の先にある、会社や社会への貢献にも目を向けてくれると思います!

インスパイアマン:それはよかった。メンバーの意識をそこまで変えていくのにはもう少し時間がかかるかもしれないが、今の馬田課長ならきっと大丈夫だ。また数カ月後の成果を楽しみにしているよ。

馬田:はい、メンバーの目標達成をサポートできるように頑張ります!


 明確な目標を決めることは未来を見据え、行動やエネルギーを方向づけることである。目標に向けて全力で取り組み、達成することができれば自信がつき、さらに高いレベルの目標を目指すようになる。達成が難しかったとしても、チャレンジしたこと自体は評価し、客観的にそのプロセスを分析して次の機会に生かしていく。それが、組織・メンバーの成長ややりがいにつながっていくのだ。

(構成:田村知子)

(次回のテーマは「コンフォートゾーンの広げ方」)

⽇経ビジネス課⻑塾オンデマンドより

本連載の著者である⽣⽥洋介⽒は、課⻑塾および課⻑塾オンデマンドの講師として活躍中です。課⻑塾オンデマンドでは、次世代リーダーが⾝に付けるべきスキルとして「学習するチームのつくり⽅」を解説しています。

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