「主体的な生き方」を選べていますか?

インスパイアマン:彼らの状況は把握してなかったのか?

駒田:うーむ、そうですね。正直なところ、あまりコミュニケーションは取れていなかったかもしれません。でも彼らはあまり向こうから近寄ってきてくれないし、ほとんど進捗も報告してくれないから、何となく放置しちゃってましたね。こういう集まりにも顔を出してくれないし……。

インスパイアマン:あなたが「くれない族」になってるじゃないか……(苦笑)。

駒田:あっ……(汗)。

インスパイアマン:自分が直面する問題の原因を他人や環境のせいにしないで、自分ができることに焦点を合わせる。それが主体性だ。「過去と他人は変えられない」と昔からよく言うだろう。自分の意志で変えられるのは自分自身と自分の未来だけだ。変えられないものを変えようとするのは、時間と労力の無駄、エネルギーの浪費だ。自分の意志で変えられるものにエネルギーを注ぐのが主体的な生き方じゃないか?

(イラスト:平戸三平)
(イラスト:平戸三平)

社員J:部長もちょいちょい、会社の文句言ってますよねー。

駒田:えぇ!? ホント??

社員J:あと、たまに話しかけにくいことも。忙しそうに眉間に皺寄せてたり、挨拶を返してくれなかったり。指示が曖昧でよく分からなかったときも、確認しづらくて……。

駒田:うーむ(汗)。

インスパイアマン:リーダーはどうしても「メンバーよりも優れていなければならない」とか「常に正しい意思決定をしなければならない」「弱みを見せてはいけない」などと思いがちだ。でも実際にはそんなことはできないし、むしろメンバーとの隔たりが大きくなるだけだ。彼らを変えようとする前に、まずは自分が変わろうとすることだ。

駒田:確かに、こちらから歩み寄ることに抵抗を感じていたのかもしれませんね。リーダーとしてのプライドというか。意地になってたというか。あまり彼らを見ようとしてなかった。つまり問題に向き合ってなかった。

社員J:彼らも部長に存在を認めてほしいんですよ、きっと。

駒田:そうだね。変なプライドを守るために躍起になるくらいなら、弱みを見せて、チームとしての心理的な安全性を高めたほうがいいかもしれない。そのほうが彼らも鎧(よろい)を脱いで、自分の現実と向き合えるんじゃないかな。

インスパイアマン:自分の人生の主人公(ヒーロー)は自分だからね。それぞれが自分と向き合ったとき、チームとしての本当の物語が始まる。

駒田:何となく、理想的なチームのイメージが湧いてきましたよ。
なんだかんだ言って、助けてくれてるじゃないですか。インスパイアマン。…あれ? 消えた。

次ページ 「ヒロイズム」よりも「ヒーローシップ」を