髙田氏は海外企業のビジネス手法については、関心を持って見てきたという。米アマゾン・ドット・コムなどとジャパネットたかたの違い、どんなことにこだわってきたかなどを、具体的な商品の事例を交えて分かりやすく語る。

通販番組は米国など海外のほうが進んでいる、という声を聞くことがありますが、私は海外の通販番組を積極的に取り入れることはありませんでした。
実はラジオでの通販番組を始めて5年ほどが経過した頃、海外の動向を知ろうと視察ツアーに参加したことがあります。ニューヨークやロサンゼルスなど、いろいろなところを見て回りました。
ニューヨークでは、ある有名な大学教授のお話を聞く機会がありました。ラジオ通販が話題になったのですが、教授が「米国ではどこに行ってもお店があるのだから、ラジオ通販は難しい」と話されているのを聞き、「あれ、私が考えていることとだいぶ違うな」と思ったことをよく覚えています。実際に日本ではラジオ通販は伸びていたし、私はまだまだ大きく伸ばせると思っていましたから。私は当時40代だったのですが、「あと10年若かったら米国でラジオ通販をやっていたかなあ」と、そのときには思いました。開拓できる市場があるということですからね。
米国と日本の通販に対する考え方の違いはそれだけではありません。
米国は自己責任が徹底しています。テレビやラジオの通販番組で紹介した商品に何らかのことがあった場合、責任を取らなければならないのは商品を紹介する企業であることが、米国でははっきりしていました。商品を紹介する企業が間違ったことを言えば、責任を問われるのはあくまでも紹介したその企業なのです。このため、米国では通販番組の内容は商品を紹介する会社がどんどん決めて放送局が流します。日本では通販番組で紹介した商品に何らかのことがあった場合、放送した側の責任が問われることが多いので、事前考査で、番組内容の確認を放送局に通した上で放送します。ここにも大きな違いがあります。
一方で海外企業のビジネス手法については、関心を持って見てきました。例えば、米アマゾン・ドット・コムや米ネットフリックスがすごいと思うのは、国内企業がやりきれなかったところを超えている点にある、と見ています。
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