ジャパネットたかたの社長時代、髙田氏は社員を褒めることがほとんどなく、むしろ厳しいことを言う存在だったという。最近は「人は褒めて育てるべきだ」という声が多いが、髙田氏はなぜそうしていたのだろうか。

ジャパネットたかた創業者の髙田明氏(写真:菅 敏一)
ジャパネットたかた創業者の髙田明氏(写真:菅 敏一)

 経営者にとって大切な役割の1つは、社員に成果を実感させることだと思います。

 成果が出るからこそ、社員は仕事に対する喜びやモチベーションが上がり、さらなる成長を楽しめます。上に立つ人は社員一人ひとりを理解し、厳しさとやさしさを持って成長を促す必要があると思います。ただ一方的に「やってください」と機械的に言うだけでは、社員もモチベーションが上がらないのではないでしょうか。

 それでは社員が成果を出せるようにするためには何が必要なのか。私は経営者が思いを語り続けることだと思います。

 ジャパネットたかたの社長を務めているとき、私は社員に伝えたいことがあれば、ずっと繰り返し言い続けてきました。そうすることで思いに共感してくれる人が増え、会社のミッションを果たすべく一緒に頑張ることができました。組織は人によってできている以上、働く人がすべきことを理解しているかどうかが特に経営者にとって大きな課題であり、私は妥協しない形で語り続けてきました。

 意外に思われるかもしれませんが、私はジャパネットたかたの社長時代、社員を褒めることがほとんどなく、むしろ厳しいことを言う存在でした。私の感覚として「10叱ったら、1褒める」くらいだったと思います。しかし、30年以上いるベテランの女性幹部からは「社長、違います! 100叱って、1褒める、でしたよ」と言われました。社員からしたら、それだけ私に褒められることが少なかったのでしょう。

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