ガンジーの教え:信念、思考、言葉……、そして運命を変える

大愚和尚:インド独立の父といわれるガンジーさんは、「信念が変わると、思考が変わる。思考が変わると、言葉が変わる。言葉が変わると、行動が変わる。行動が変わると、習慣が変わる。習慣が変わると、人格が変わる。人格が変わると、運命が変わる」という言葉を残しておられます。

 私たちは話をしているとき、言葉を聞いていますよね。仏教では、発せられる言葉のもっと奥深いところを見ているんです。ガンジーさんに象徴されるように、「発せられる言葉の、もっと手前がある」と考えているのですね。

藤吉:発せられる言葉の前に、「信念や思考」があると。

大愚和尚:言葉のもっと奥に、その人が普段考えていること、感じていること、その人がそれまで培ってきた価値観や概念がある。そこをインド人は見ているんですね。

藤吉:住職は現在、YouTube(大愚和尚の一問一答)で日々、人々から寄せられた相談に応えていらっしゃいます。相談者、あるいはチャンネルの視聴者から寄せられる反応やコメントを通して、「日本人とインド人の言葉の捉え方の違い」を感じることはありますか?

大愚和尚:日本人は発せられた表面的な言葉だけに反応する傾向があるように思います。なぜ相手が、そして自分が、その言葉を発するのか。それは意識的なのか、無意識なのか。そういったところにまで、思いが及んでいないのですね。「思っていることは私の勝手でしょ。自由でしょ。何を思っていたっていいよね」と考えている節がある。

 しかしお釈迦様は、私たちに、「思いが変わらないと、言葉も変わらないし、行動も変わらない。つまり人生が変わらない」ということを教えてくれています。ですから、心に何を思うかを大事にして、それをひっくるめてのコミュニケーションだと考えていただくのがよいかと思います。その言葉を「型」に乗せて表現する前に、あなたが何を感じ、どう生きているのか。それこそまさに「話道」ですよね。

藤吉:『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』をきっかけに、言葉の奥にある「普段思っていること」を見つめ直すことができたら、うれしいですね。

大愚和尚:言葉というのは、人の中にあるたくさんの「思い」のうちの、氷山の一角でしかありません。それでも私たちが、言葉を大切にしなければならないのは、それが愛を語ることができるのと同様に、人を傷つけ、殺(あや)めることもできるからです。私たちはあまりにも、言葉の力を知らなすぎます。無意識に言葉を垂れ流すことで、発する側も、受け取る側も、両方が苦しみをその言葉によって得ているのです。

 「悟り」に達せられたお釈迦様でさえ、それを「人に伝えるか」、そして「どう伝えるか」を大いに悩まれたのです。同じように私たちも、言葉を発するときには、心の中でよく整えて発していきたいものです。

藤吉氏(左)と大愚元勝和尚(福厳寺本堂にて)
藤吉氏(左)と大愚元勝和尚(福厳寺本堂にて)

(構成:黒坂真由子)

<後編に続く>

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