「毅然たる人」は、怖くはないが、格好いい

 先ほどの携帯電話の例でいえば、怒鳴らずに注意すればいいのです。わたしは、その女性に注意する必要があるとは感じませんでしたが、もしも注意したいなら、 感情を交えずに「あなたはひょっとすると、電車のなかで通話してはいけないということを知らないのではないですか」と、言葉で伝えればよかったのです。

 別の例で、説明しましょう。あるとき、特急電車の指定席に座っていたら、同じ車両に、あちこちの席を転々と座って回る乗客を見かけたことがありました。お酒が入っているようでした。そんなとき、タイミングよく車掌さんがやってきて、どう対応されるのかと思って見ていたら、まず自分から名乗られました。「わたしは、特急日本海の車掌です」と。それから、こういいました。「ほかのお客さんはみなさん、切符を買って乗っておられます。でも、あなたは切符をお持ちではありませんね。降りてください」と。感情は一切、交えずにいいました。その後、少しもみあいになりかけましたが、結局、その乗客は、次の駅で大人しく降りました。

 車掌さんは若い男性で、近くで見ていた若い女性グループの一人が「格好いい」といっていました。つまり、傍で見ているぶんには怖くなかった。これが「毅然とした態度」です。

いうべきことは毅然という、と。そして毅然たる態度と威圧的な態度は異なり、周囲に恐れは抱かせないが、憧れを抱かせる。確かに、リーダーとしてはそうありたいものです。

自信がなくていい。

◆ リーダーになる勇気を得て、創造的で幸せなチームをつくる、たった一つの原則がある。
◆ リーダーとメンバーの関係を「対等」にすることが、すべての課題を解決する。

昇進したけど不安な「わたし」が、
哲学者の「先生」との対話を通して、
戸惑いながらも成長していく――。

◇ なぜ、あの人は「難しい仕事から逃げる」のか?
◇ なぜ、あの人には「責任感がない」のか?
◇ なぜ「リーダーであることがつらい」のか?
◇ なにをしたら「パワハラ」なのか?
◇ なぜ、叱ることも、ほめることもダメなのか?

◆気鋭の起業家3人との対話を収録
◇サイボウズ・青野慶久社長

「本気で死にたかった社長就任1年目に学びを得た」
ユーグレナ・出雲充社長
「我慢しても、部下に怒りが伝わってしまうのです」
カヤック・柳澤大輔CEO
「パワハラ組織のほうが案外、強いのではないですか?」

この記事はシリーズ「心若きリーダーとの哲学的対話」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。