「付き合いは悪いが、仕事はできる」を目指す

 だって、あなたはそういう人間関係が嫌いで、だから期せずして上司になったとき、あれほど悩まれていたのですよね。

はい、そうです。

 それならば、そういうふうに決めておけばいいのです。「仲良しグループ」は、内側の結束は強いけれど、外側に対しては排他的です。

その通りです。

 そして、あなたもいわれる通り、そういうグループはどんな組織にもある。

 わたしは、そういう集団には所属しないと昔から決めていて、そのことでたとえ不利な目に遭っても意に介さなくなりました。極端に聞こえるかもしれませんが、 そんな集団に入らなければ出世しないような会社であるなら、そんな会社で働く必要はない。それくらいに思っておいたほうがいい。そんなことで評価されるような会社に、今後十年も二十年も勤める価値はありませんから、さっさとその会社からさよならしてもいい。ご自身の信条に従うなら、それくらいの気持ちでいていいのではないですか。

 そういう考えを支持する人は多くいるのです。内心、「それは、おかしいのではないか」と思っている人はたくさんいて、そう思っているなら、内心の本音に従って行動すればいい。そういう人が増えると、確実に社会が変わっていきます。あなたのような人は、社会を健全なものにしていく活動だと思って、「そういう内輪の飲み会には参加しない」と決断し、実践していかないといけないと思います。

でも、そういう飲み会に参加していないと、「人付き合いが悪い」とかいわれちゃって、それがやっぱり怖いのですよね。でも、それを恐れる必要はなくて、正直に……。

 そこについては、「あの人は確かに人付き合いが悪いけど、仕事はできるな」と思われるように、仕事に精を出すしかないでしょう。本当はみんな、そういう生き方に憧れているのです。つまらない人との付き合いは避けて、仕事に精を出すという生き方に憧れる人は確実にいるはずなので、そういう人たちと連帯しているという意識が大事だと思います。

ああ、この前に語り合った、「主戦場」で頑張る、ということですね。確かに、おっしゃる通りです。そして、そのように頑張っている人間はわたし一人ではないと信じる。

 ええ、事実、そうなのですから。

なかなか大きな声で語り合えずにはいますけれど。ええ、今回の誘いは、適当に理由を付けて断ることにします。一度、断ればきっと二度と誘われない話だと思いますから。代わりにまた、先生のところに話しに来ますね。

(次回に続く)

◆ 自信がなくていい。上下関係をなくせば、上司と部下はいいチームになれる。
◆ サイボウズ、ユーグレナ、カヤックなど、上場企業の経営トップが続々賛同!

昇進したけど不安な「わたし」が、哲学者の「先生」との対話を通して、戸惑いながらも成長していく。

◆ リーダーの悩み、こう解決します!
◇ 責任感がない若手に「ありがとう」をいおう
◇ リーダーとして自信が持てないことに、問題はない
◇ 同じ失敗を繰り返す人に対し、存在を承認する
◇ 頑固なベテランでも、未来の可能性に注目する
◇ 上司であることがつらいとき、何が幸福かを考え直す

◆気鋭の起業家3人との対話を収録
◇サイボウズ・青野慶久社長

「本気で死にたかった社長就任1年目に学びを得た」
ユーグレナ・出雲充社長
「我慢しても、部下に怒りが伝わってしまうのです」
カヤック・柳澤大輔CEO
「パワハラ組織のほうが案外、強いのではないですか?」

この記事はシリーズ「心若きリーダーとの哲学的対話」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。