無意識のうちに、仕事から逃げようとする人たち

 その人は無意識のうちに……。無意識というのは「いわれてみないとわからない」ということです。つまり、その人にあらためて尋ねてみれば、こういうことであったかもしれないと思い当たるということです。停電が起きて真っ暗になったタイミングで「あなたは、『これ幸い、今日は、もう仕事をしないで済む』と思ったのではないですか」ということです。

 本人に尋ねてみたら「ああ、そうだったかもしれない」と答えるくらいのレベルの無意識です。そこを突いていくことにあまり意味はない、と、わたしは思うのです。

 上司としては「この人は、何か理由をつけて、仕事から逃げたいと思っている人なのだ」くらいのことは、知っておかないといけないでしょう。そういう傾向がわかれば、「『この仕事はできない』と思ったときには、率直に『できない』といってほしい」と、伝えられます。そうなったときには、その時点で一緒に話し合おうと伝えることができます。

 子どもたちがときどき「学校に行かない」と、いい出すことがあります。そのときに必ず、頭やお腹(なか)が痛くなります。これは詐病ではなくて、本当に症状が出ます。本当に頭やお腹が痛くなるのです。なぜかというと「学校を休む理由」 が必要だからです。「休む理由」が必要だから、症状を作り出すのです。アドラー心理学では、そういういい方をします。

理由をつけて仕事から逃げ出す若者と同じ、というわけですか。わたしもかつて、子どもの不登校に悩んで、先生に相談したわけですが……。

 わたしの息子も「学校を休みたい」といい出しました。

(次回に続く)

◆ 自信がなくていい。上下関係をなくせば、上司と部下はいいチームになれる。
◆ サイボウズ、ユーグレナ、カヤックなど、上場企業の経営トップが続々賛同!

昇進したけど不安な「わたし」が、哲学者の「先生」との対話を通して、戸惑いながらも成長していく。

◆ リーダーの悩み、こう解決します!
◇ 責任感がない若手に「ありがとう」をいおう
◇ リーダーとして自信が持てないことに、問題はない
◇ 同じ失敗を繰り返す人に対し、存在を承認する
◇ 頑固なベテランでも、未来の可能性に注目する
◇ 上司であることがつらいとき、何が幸福かを考え直す

◆気鋭の起業家3人との対話を収録
◇サイボウズ・青野慶久社長

「本気で死にたかった社長就任1年目に学びを得た」
ユーグレナ・出雲充社長
「我慢しても、部下に怒りが伝わってしまうのです」
カヤック・柳澤大輔CEO
「パワハラ組織のほうが案外、強いのではないですか?」

この記事はシリーズ「心若きリーダーとの哲学的対話」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。