「わたしって、相談しにくい?」と尋ねてみる

 実際のところ、どうだったのかはわからないのです。わかりませんが、これまでの話に戻って、本人に確かめてみるしかないです。「わたしって、そんなに相談しにくい?」とでも、一言、聞いてみてもいい。

いやあ、ちょっとハードルが高いですが……。でも、聞けないこともなかったですね。ええ、聞こうと思いつけば、聞けたような気がします。

 繰り返しになりますが、社会に出たばかりの若い人には覚えなければならないことがたくさんあって、失敗するでしょう。うまくいかないことをたくさん経験しなければなりません。だから、先輩としては「困ったことがあったらいってほしい」 ということを、常日ごろから伝えておくことが必要です。

彼女にはおそらく、給与計算の仕事に対して、苦手意識みたいなものがあって、ちょっと「逃げたい」と思っていたところがあったように感じるのです。

 なるほど。

そのためにわたしのほうも普段から、「まだ終わらないのか?」みたいな雰囲気で、彼女にプレッシャーをかけてしまっていて、それも停電で逃げ出してしまった原因の一つだったかもしれません。

 それはあるかもしれませんね。それでも「帰るべきではなかった」とは伝えるべきです。責めるのではなく。今の話は、先ほどの「人間にとって『なぜ』に答えるのは難しい」という話における、「なぜ」の答えだと思います。この「なぜ」に対する答えというのは、実は「目的」なのです。

「なぜ」が目的……。行動することの「理由」が、実は「目的」であるということですか。

無意識のうちに、仕事から逃げ出す理由を探している人たちがいる(イラスト:PIXTA)
無意識のうちに、仕事から逃げ出す理由を探している人たちがいる(イラスト:PIXTA)

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