「誰が語るか」ではなく「何が語られているか」

 とはいえ、基本的なこととして、仕事は仕事、です。

 わたしはフリーランスですから、「誰と一緒に働きたいか」で仕事を選ぶという場面は、多々あります。

 そうはいっても、仕事は仕事なのであって、「誰がいっているか」ではなく、「何が語られているか」だけに注目するという姿勢は大事です。

 若い人が主張していることでも、内容が真っ当であれば、採用しなければなりませんし、上司や先輩でも、間違ったことをいったら、「それは違う」という勇気は持たなくてはなりません。それが「『誰が』ではなく『何が』」ということで、仕事において基本となる姿勢です。

 だから、仕事のときには、わたしたちの心に起きる感情的なことは遮断する、というか、そこにはあまり目を向けないようにする努力が、あなたのような繊細な人の場合には大事かもしれません。特に、ネガティブな感情に傾きがちなときには。

「『誰が』ではなく『何が』」という指針は、力強い気がします。

 わたし自身が、若い人と仕事をしていて思うのですが、若い人のほうが知性、感性は優れているものです。だから、若い人と一緒に仕事をして、「あなたの考えは違う」と反論されるのは当然で、それこそが仕事の醍醐味だと思ったほうがいい。

 あなたも、なんでもかんでも上司のいうなりという若者と一緒に仕事をするのでは、つまらないと思いませんか。

確かに、細かなことまでいちいち判断を求められると、「ちょっとは自分の頭で考えてよ!」と、悲鳴を上げたくもなります。

 それに比べれば、ちょっと生意気なくらいの若者と仕事をするのは楽しいものです。もちろん、人柄がいいということも大事ですが、「いっていることが正しいか」を判断基準にするのは、仕事においては重要なことです。

信頼関係ができているからこそ、若者も反論できるということもあるでしょうし。

 その通りです。

逆に、若者が率直に反論してくれるから、上司としても安心して信頼関係を築いていけるというところもありますよね。

 そうです。「こんなことをいったら、上司はどう思うだろう」なんて思われているうちは、若者は何もいってくれません。

 若い人は失敗を恐れるものです。だから、失敗は人格とは関係ないということを伝える必要があります。特に、秀才型の若い人には。

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