部下の失敗には悪気がないと信じる

 もう一つ、何を信頼するかといえば、その若いメンバーの言動には、よい意図があると信頼することです。

いつも資料の準備ができていないのは、悪気があってのことではない。そこは100%、信頼しています。

 若いメンバーが進取の気性に富むなら、上司のあなたのいうことに対し、面と向かって異論を唱えることもあるかもしれません。そういうことがあったとしても、あなたのことを軽視しているわけではなくて、仕事や会社のことを真剣に考えているからだと、よい意図を信じなければなりません。

性善説に立つ、と。信じられそうな相手だから信じるというのではなく、とにかく信じる。そうでなければ、よき人間関係など築けないというのは、その通りである気がします。

 しかし、先生、今のお話をうかがって、わたしにはやっぱり、もやもやするところがあるのです。

(次回に続く)

◆ 自信がなくていい。上下関係をなくせば、上司と部下はいいチームになれる。
◆ サイボウズ、ユーグレナ、カヤックなど、上場企業の経営トップが続々賛同!

昇進したけど不安な「わたし」が、哲学者の「先生」との対話を通して、戸惑いながらも成長していく。

◆ リーダーの悩み、こう解決します!
◇ 責任感がない若手に「ありがとう」をいおう
◇ リーダーとして自信が持てないことに、問題はない
◇ 同じ失敗を繰り返す人に対し、存在を承認する
◇ 頑固なベテランでも、未来の可能性に注目する
◇ 上司であることがつらいとき、何が幸福かを考え直す

◆気鋭の起業家3人との対話を収録
◇サイボウズ・青野慶久社長

「本気で死にたかった社長就任1年目に学びを得た」
ユーグレナ・出雲充社長
「我慢しても、部下に怒りが伝わってしまうのです」
カヤック・柳澤大輔CEO
「パワハラ組織のほうが案外、強いのではないですか?」

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この記事はシリーズ「心若きリーダーとの哲学的対話」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。