大学や研究機関で長期間かつ多額の費用をかけて研究開発された技術を基に、世の中の生活スタイルを大きく変えたり、社会の大きな課題を解決したりする技術のことを「ディープテック(Deep Tech)」と呼ぶ。リバネス代表取締役グループCEO(最高経営責任者)の丸幸弘氏とフューチャリストの尾原和啓氏による著書『ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」』を一部編集してお届けする。
シリーズ
眠れる技術「ディープテック」を解き放て

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19回
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「地球のこれから」のためのイノベーションを起こそう
これまでの連載を通じて、あなたのパッションに火がともったのなら望外の成功だ。あとは仲間と共に試行錯誤を繰り返し、「地球のこれから」のためのイノベーションを起こそう。
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地球にとってあるべきエコノミーとエコロジー
かつて日本は、東洋的な思想でものづくりをして世界にインパクトを与えた。東南アジアは「Look East」でこちらを模範としてくれた時期もあった。だが、もはや立場は逆だ。
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「クエスチョン」を掘り下げてたどり着く真の課題
日本の大企業は、自分たちのディープテックを信じて、いまこそ世界に打って出てほしい。すでに存在するテクノロジーで十分解決できるイシューが、世界には数多くある。
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成功企業が抱えるジレンマとその解消法
常識や慣習を壊していくことは、イノベーションを起こすための重要なトリガーとなる。だが、サステナブルグロースの観点からも、従来の常識を疑ってみることは必要だ。
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世界の水不足を救え 町工場2代目の挑戦
日本の町工場で生まれた節水ノズルが水資源に乏しいカリフォルニア州のレストランやスーパーで、話題を呼んでいる。
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ディープイシューに挑むベンチャーたち
日本におけるディープテックの現状とその可能性について、スタートアップのケーススタディーを通して見ていこう。
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外部不経済を生み出してきた歴史と反省
私たちには100年単位で地球規模の外部不経済を生み出してきた深い反省と悲しみがある。テクノロジーが追いついてきた今、いかに広い視野から持続的なビジネスを生み出すかを考えることは、全ての人にとって欠かすことのできない命題と…
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「CSR」「CSV」「ESG」「SDGs」、そしてディープテックへ
現在のディープテックには系譜がある。「CSR」「CSV」「ESG」「SDGs」というキーワードを押さえておこう。
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オゾンホールはなぜ突然、世界共通の課題となったのか
オゾンホールの問題をどこか他人ごとと考えていた世界の人々。1980年代半ばにその風向きが突如変わった。課題を分かりやすく顕在化させることで人々の「気づき」は一気に広がる。
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新興国で実現する「ローカルサステナビリティー」とは
現地調達できるものと技術を組み合わせることで、深刻な課題に対してローコストで持続的に解決するローカルサステナビリティーはディープテックの1つの型となっている。
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何気ない日本の技術が世界の課題と出合って起きること
日本に従前から存在している技術が東南アジアが抱えるディープイシューと出合う。これによって最新技術でなくても新たな役割を担えることになる。
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課題当事者が生んだ事業から心を盗むことはできない
課題の当事者だからこそ生まれたアイデアは、ローテクであるが故に早晩類似品が出回るかもしれない。しかし、その考え方や心が盗まれることは絶対にないだろう。
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ゲイツ、ザッカーバーグ… 成功者たちが社会課題解決に挑む理由
中長期的な投資を要するディープテックだが、投資の追い風が吹いている。巨額の富を得たインターネット企業やソフトウエア企業の創始者らが、次世代への社会貢献として投資側に回っているためだ。
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イノベーションが生み出されてきた歴史を知る
テクノロジーイノベーションの歴史において米シリコンバレーが果たしてきた役割は大きい。半導体からPC、インターネット、AI、そしてディープテックへ。その歴史を振り返る。
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交錯するシリコンバレーの「知恵」と東南アジアの「課題」
シリコンバレーに集積された知恵が、オンライン化によって東南アジアの社会課題がすぐそばにある世代と結びつく。そこに巨大なポテンシャルが生まれる。
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母国語に守られるイノベーションとは
日本のローカルの研究者が一生懸命研究を重ねて完成させた論文はほとんどが日本語で書かれているために、海外に向けて公表されるまではなかなか見つけ出すことも、まねすることもできない。
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何のためにテクノロジーを使うのか
先端テクノロジーは細分化され、いつしかハイテクを目指すことが目的化された。だが、重要なのは「何のためにテクノロジーを使うのか」という視点だ。
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日本が得意としてきた「相利共生」
相利共生型のエコシステムを形成することを得意としてきた日本。だが、今の日本は西洋的なゼロサムゲームが横行し、こうした本来持ち得ていた利点をどこか見失っている。
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自社の「眠れる技術」に気づけるか?
日本製品は海外から「長持ちする」と評価を受け、「メード・イン・ジャパン」のブランド力を持っている。だが、こうした“ものづくり力”が、持続的な成長(サステナブルグロース)に生かされると気づいている日本企業は少ない。
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