新型コロナウイルス禍をきっかけにリモートワークなど新しい働き方が一般的になったことで管理職が直接社員と顔を突き合わせ、感謝や評価を伝える機会が減ってしまった。そんな新しい職場環境で、社員が「会社から認められている」「組織にとって価値ある一員だと思われている」と感じられるために管理職はどんな行動を取るべきなのか。
リモートワークやハイブリッドワークが一般的になり、働き方が変化している今、リーダーたちは社員に(大事な人材として)尊重(リスペクト)していることをどう伝えられるだろうか?
管理職の中には気付いていない人もいるかもしれないが、この問題は社員にとって最大の関心事だ。米シンクタンクのピュー研究所の最近の調査によると、過去1年間に仕事を辞めた社員が最大の要因として挙げたのは、「低賃金」「昇進の機会の少なさ」に次いで、「尊重の欠如」だった。
社員は、自分が大事にされていないと感じるときに企業を去ってしまう。この問題に対応できるかどうかは、管理職の力量にかかっている。

尊重、職場での人間関係、そしてバーチャルワークの研究者である私たちは、職場における尊重の意識がこれまで以上に求められていると理解している。
しかし皮肉なことに、研究対象となる尊重を示す行為は主として(実際に会って行う)対面コミュニケーションによって成り立っているため、リモートワークの社員に対して管理職が効果的にそれを伝える方法は見つけにくくなっている。
管理職が示すべきだとされる(尊重の)サインの多くは、フランクな場でさりげなく交わされるもので、同じ場にいる他の人々にも伝わることが多い。これら全ての条件は、バーチャルの場で再現が困難なものだ。
本記事では、職場における尊重とリモートワークの関係性に焦点を当てた我々の研究結果に触れながら、このテーマにまつわる幅広い文献や実際の事例、我々が実施した定性的な自由記述式アンケートから得られた知見を紹介する。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り5761文字 / 全文6640文字
-
【春割】日経電子版セット2カ月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
【春割/2カ月無料】お申し込みで
人気コラム、特集記事…すべて読み放題
ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「From MITスローンマネジメントレビュー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?