ソーシャルメディアが普及し、仕事関係とプライベートで異なる自分のアイデンティティーを使い分けることは不可能に近い。リーダーはどのようにして価値観を発信していけばいいのか。本稿では、SNS(交流サイト)時代を生きるリーダーが意識すべきポイントを事例とともに紹介する。

「コンテキスト(文脈)の崩壊」とは何か。
コンテキストの崩壊は、組織にとって煩わしい問題であり続けている。これは、コグニザント社と共同で「MIT Sloan Management Review 2021 Future of Leadership」に発表されたリポートの核心となるもので、「ソーシャルメディア時代には、同僚、家族、友人との関係でそれぞれ異なるアイデンティティーを意図的かつ確実に管理することは不可能に近い」と考えられている。
この調査報告書が発表されてから18カ月の間、個人も組織も「コンテキストの崩壊」こそが、デジタル時代における最も危険なことの1つであることを示す事例が増えている。
「コンテキストの崩壊」例
最近の例では、米アパレル大手、リーバイ・ストラウスと同社の経営幹部であるジェニファー・セイ氏との関係が完全に破綻したことが挙げられる。2022年2月まで、セイ氏はリーバイスのブランドマネジャーを務めており、次期CEO(最高経営責任者)の有力候補といわれていた。
しかし、彼女は個人のツイッターアカウントで新型コロナウイルス関連の学校閉鎖や子供へのマスク義務化に断固として反対する主張をしていたことで、注目を集めてしまった。その結果、彼女は会社から昇進の可能性がないことを告げられ、辞職することになった。
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