
批判はブレーンストーミングにおける創造性を促進するのか? 妨げるのか? 最新のリサーチから、批判を実り多きものにする秘訣を探る。
複数の人たちとブレーンストーミングをした経験のある人であれば、「質ではなく、量を重視する」「現実離れで奇抜なアイデアも受け入れる」そして最も重要な「決して批判をするな」という基本的なルールを知っていることだろう。
これらの原則は、ニューヨークの有名な広告代理店BBDOのマネジャーであるアレックス・オズボーン氏が、1940年代後期に考案したものだ。オズボーンは、創造性を最大化するためには、ブレーンストーミングは自由奔放であり批判的であってはならないと考えた(実際に複数の研究が彼の意見を裏付けている)。彼は、「創造性は繊細な花のようなものだ。褒められれば花を開かせ、がっかりさせれば芽を摘んでしまう」と述べている。
しかし、近年の研究ではオズボーンの「批判厳禁」のルールに対して疑惑が生じている。否定的な批評であっても創造性と想像力を高め得るとする研究が、増えているのだ。同様に、ブレーンストーミング中にアイデアの質に対する批評を禁止すると、自由な発想と表現を妨げてしまう可能性があるとすら示唆する研究もある。
果たして、ブレーンストーミングにおいて、批判は創造性を促進するのか、それとも妨げるのか。筆者はタチアナ・ラブゾワ氏、アディティ・メヘタ氏と共にこの長く続いてきた論議の解決に挑んだ。そして最近の研究によれば、批判の役割は、(厳禁だけが良いわけでなく)ブレーンストーミングの状況(協力的か競争的)次第では大いに意味があるということがわかった。
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