ミラノ万博への出展がきっかけ
高糖度トマト「アメーラ」のヨーロッパでのブランドづくりのチャレンジのきっかけは、2015年にイタリアのミラノで開催されたミラノ国際博覧会(以下、ミラノ万博)だった。
ミラノ万博のメインテーマは、「地球に食料を、生命にエネルギーを」。食をテーマとした世界初の万博だ。
アメーラトマトの生産・販売を行っている農業者グループ、サンファーマーズは、ミラノ万博のイベントに出展、イタリア人にアメーラを食べてもらい、現地の消費者の言葉に耳を傾けた。
「こんなに甘いトマトは食べたことがない」
「甘味と酸味のバランスがよい。イタリアにもあれば」
現地の消費者の意見だけではなく、食のプロの意見も重要だ。ミラノのレストランのオーナーシェフにアメーラを使った料理をつくってもらい、アドバイスをもらった。
「そのままで大変おいしく個性的な味わいだから、生で食べたい」
「皮が硬いが、そこに甘みがある」
「高級食材を扱うスーパーで販売したら」
ペック、イータリーなどイタリアを代表する食品専門店に出向き、現地のトマトの状況を自分たちの目で把握した。
イタリアに続き、スペインのトマト産地、フランスの種苗会社などを訪問。ヨーロッパ各地で実際にアメーラを食べてもらい、アメーラのブランド戦略や生産戦略をプレゼンテーションし、意見交換を行った。
そこで、分かったことがある。
・欧州に、「高糖度トマト」や「グルメトマト」というカテゴリーはない
・欧州では、収穫量と生産性の追求によって、トマトの同質化が進んでいる
・欧州では、野菜をブランド化しようという発想がほとんどない
「ヨーロッパで、日本発トマトのブランドづくりにチャレンジしよう。可能性がある」
「ヨーロッパで、最高品質の高糖度トマトという新たなマーケットを創造しよう」
アメーラのヨーロッパ進出が決まった瞬間だ。
Powered by リゾーム?