過去2年間の新型コロナウイルス禍を経て新たな商機として定着しそうなのが、小規模事業者らによる食品冷凍自販機の設置だ。背景には初めて開発されたある自販機の存在がある。

丸山製麺の丸山取締役は「『らーめんバリ男』が人気」と話す
丸山製麺の丸山取締役は「『らーめんバリ男』が人気」と話す

 東京都大田区の住宅街に2021年、全国有名店20種類程度の冷凍ラーメンが買える4台の自販機が現れた。交通系ICなどで購入すると、スープや具を含め800グラム近くある冷凍ラーメンが鈍い音を立てて落ちてくる。

 「二郎系の『らーめんバリ男』が食べ応えがあって一番人気ですね」。自販機「ヌードルツアーズ」を企画・設置している丸山製麺(東京・大田)の丸山晃司取締役はこう話す。

 同社は自社工場の麺と、全国の有名ラーメンのスープを組み合わせ、冷凍食品をつくる。それを各地に設けてある自販機に供給する。

 同社の製麺所前の自販機には「AFURI」などの有名店の製品もある。通常の飲食店からすれば、駅に近くはない住宅地は好立地とは言えないかもしれないが、自販機にとっては「一等地」となり得る。

1日250食売った自販機も

 1つ1000円のラーメンは家族層なら1度に3~4個購入する。通常のラーメン店は1日100食売れれば十分だが、ヌードルツアーズの自販機では、製麺所前や長野、姫路、高知などで多く売れ、1日1台250食売ったところもある。

 「やっと買えた!」「東京まで行かなくても済む」「冷凍スープはクオリティー高し!」「味変する体験が楽しい」――。

 ツイッターなどSNS(交流サイト)上では写真とともに続々と声が寄せられ、間違いなく「バズって」いる。丸山氏は家業の丸山製麺への入社前、サイバーエージェントグループで新規事業の立ち上げなどを経験。情報技術(IT)もフルに活用し、事業拡大を狙う。

 実際にヌードルツアーズのラーメンを食べてみると、しっかりした麺と薄める方式ではない店のままのスープでおいしく、スーパーで買える冷凍ラーメンよりも食べ応えがある。夕方に食べても深夜までおなかは空かなかった。

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