地方自治体にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化は待ったなし。課題の一つが高齢者のデジタルデバイドの解消。22年は官民挙げて高齢者を巻き込む取り組みが広がりそうだ。

 2022年は団塊の世代が75歳、いわゆる後期高齢者に達する。これに危機感を募らせるのがソフトバンクの宮川潤一社長だ。「高齢者が人口のボリュームゾーンなのに、70歳以上のスマートフォン保有率が低い。このまま放っておくと、デジタル技術で社会課題を解決できず、日本は“ゲームオーバー”になる」と警鐘を鳴らす。

 内閣府が20年に実施した世論調査によると、スマートフォンやタブレットを「よく利用している」と回答した割合は70歳以上で24.3%にとどまった。

 地方自治体の多くが人口減と高齢化に直面し、財政難と行政コストの増大に頭を悩ませる。DX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化は待ったなしだが、高齢者のデジタルデバイドが大きな壁になっている。

 宮川氏が衝撃を受けたと話すのは、ソフトバンク子会社が福岡県嘉麻市でAI(人工知能)を使った配車システムの実証実験を行った際のエピソードだ。地元自治体の依頼で、アプリからだけでなく電話からの配車予約も受け付けたところ、9割が電話からだった。「デジタルの仕組みを提案したのに、その恩恵を受けてもらえなかった」(宮川氏)

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