あらゆる産業の浮沈を握る潮流、脱炭素。航空分野では思わぬものが燃料の原材料として注目を浴びる。飲食店などから出る廃食油がそれだ。2022年以降、争奪戦になってもおかしくない。

「これから世界で廃食油の争奪戦になる」。廃食油を原料としたバイオ燃料製造のレボインターナショナル(京都市)の越川哲也代表はこう話す。航空産業で急速に持続可能な航空燃料(SAF)が必要になり始めたことがその理由だ。
全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)が21年10月、共同であるリポートを出した。脱炭素に向け、政府などにSAFの国内供給網の整備を訴える内容だ。「安定した供給と国際競争力のある価格を実現させることが、二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロへのソリューションになる」
世界のCO2排出量の2~3%を占める航空産業には環境対応を迫る圧力が高まる。ANAとJALは50年の排出量実質ゼロを目指している。実現にはSAFの活用が不可欠。2社は共同リポートの中で、日本が調達する必要のあるSAFは50年には最大で年約2300万キロリットルに上ると試算した。
生産体制は世界的に未整備
世界を見渡しても、SAFの量産体制が整っているとは言えない。主な問題は、原料をどう確保するかだ。
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