新型コロナウイルスは「オミクロン型」へと変異し、またも世界を不安に陥れている。ただ、人類はワクチンや治療薬の技術開発を着実に進めている。コロナは風邪のような存在「エンデミック」に近づくとの見方も出始めた。2022年はコロナとの共存を模索する年となる。

南アフリカが報告した変異型ウイルスは「オミクロン型」と名付けられた(写真=ロイター/アフロ)
南アフリカが報告した変異型ウイルスは「オミクロン型」と名付けられた(写真=ロイター/アフロ)

 新規感染者数はここのところ、かなり低い水準で推移している。国立感染症研究所のデータによると、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は11月16日以来、1人を割り込んでいる。ピークの8月24日に120人を超えていたのからすると、100分の1以下への減少だ。政府はワクチン・検査パッケージ制度を決めるなど、経済活動の再開に向けて動き出した。

 そんな矢先に届いたのが、「オミクロン型」出現の知らせだった。発端は南アフリカ共和国で新規感染者数が急増したことだ。同国国立伝染病研究所は11月24日、ゲノム解析の結果、新たな変異型を検出したと報告。世界保健機関(WHO)は同月26日、この変異型を「オミクロン」と名付けた。

 オミクロンは、ウイルスの外側にとげのように出ている突起物「スパイクたんぱく質」に30カ所以上の変異がある。エイズウイルスのように持続的に感染するウイルスでは変異の蓄積が見られることがあるが、インフルエンザのように治癒すると体内から消えてしまうタイプのウイルスでここまで変異が蓄積するのは珍しい。新型コロナワクチンのほとんどはスパイクたんぱく質にくっつく抗体をつくるよう設計されているため、変異の影響を見極める必要がある。

 オミクロン型の登場は、動き出した日本経済に冷や水を浴びせる格好となった。日経平均株価は11月25日終値の2万9499円をピークに3日続落。ダウ平均の他、海外の株式市場でも同様の動きが見られた。日経平均は12月10日時点でオミクロン報告前の水準に戻っていない。

WHO「ウイルスとの共存を」

 すでに新型コロナウイルスの感染の主流は変異型であるデルタ型となった。今後も新たな変異型に主流が置き換わる可能性がある。人類は22年、姿を変えるコロナをどこまで警戒する必要があるだろうか。

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