新型コロナウイルス禍に個人も企業も苦しんだ2020年と21年。ワクチン接種率は先進国の中でも高く、足元の感染者数は大きく減っている。22年はたまっていた消費のマグマが爆発し、企業が息を吹き返す――。そんなシナリオが現実味を帯びる。日本と世界が復活していく過程で、政治・経済を巡る様々な異変も起きそうだ。変化の兆しをとらえ、22年を予測する。(徹底予測2022取材班)(写真:PIXTA)
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徹底予測2022 再起動の行方

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「Go To」延命策が息切れの旅行業界 JTB、HISも事業改革待ったなし
インバウンド需要の急拡大に沸いた2010年代から一転し、観光業界は新型コロナウイルス禍に苦しみ続けている。19年の日本国内の延べ宿泊者数は6億人弱に達し、3年で1億人増えた。それが、20年には一気に約3億3000万人まで…
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マツキヨココカラ、イオン系… ドラッグ初の1兆円企業が誕生か?
かつてドラッグストア業界の盟主だったマツモトキヨシホールディングス(HD)。直近の売上高は業界6位に沈んでいたが、2021年10月、ココカラファインと経営統合し「マツキヨココカラ&カンパニー」を発足させた。マツキヨもココ…
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キオクシア、ソニーら次世代半導体開発へ加速 電子部品は車載シフト
2022年の半導体産業は今後10年の成長への基盤を整える1年となりそうだ。1980年代には世界シェア上位を総なめした日本の半導体メーカーだが、今は存在感が当時に比べて低い。
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すかいらーく、ロイヤル、鳥貴族… 注目の新業態店の実力は?
2022年の外食産業は、コロナ禍が収束した後の市場環境にどれだけ対応できるかが問われそうだ。21年は、緊急事態宣言による時短営業や休業が長期化する中で多くの外食大手が苦戦を強いられた。特に関東や関西の都市部では1月から9…
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世界の新車販売は回復へ 鴻海、トヨタ…EV競争が本格化
新型コロナウイルス禍から復調しているように見えた自動車業界。そんな2021年の巻き返しに冷水を浴びせたのが、世界的な半導体や部品の不足だった。各社は思い通りに生産できなくなり、売りたくても売れない状況に陥った。
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三菱UFJ、三井住友FG軸に提携・再編が加速、SBIが台風の目に
「過去最高益という響きはちょっと……。稼ぐ力をもう一段強めたい」。2021年4~9月期決算の連結純利益が前年同期比95%増の7814億円と10年ぶりに最高益を更新、通期でも最高益になる見込みを発表した三菱UFJフィナンシ…
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不支持率55% 窮地の米バイデン大統領に2022年レームダック説
「65歳以上の100人に1人が新型コロナウイルスで死亡」。米国に今、厳しい現実が突きつけられている。2020年の大統領選でバイデン氏に票を投じた米国民は22年、中間選挙でどんな決断を下すのか。
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ANAとJALは復活できるか? 赤字のJR東は特急料金値上げ
新型コロナウイルス禍が巻き起こってから約2年。航空・鉄道業界は移動需要の急減に苦しみ続けてきた。ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)が2020年4月から21年9月の間に出した赤字額は最終損益で計9000億円…
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ラーメン、もんじゃ、スイーツ…街に“変わり種”冷凍自販機
過去2年間の新型コロナウイルス禍を経て新たな商機として定着しそうなのが、小規模事業者らによる冷凍食品自販機の設置だ。背景には初めて開発されたある自販機の存在がある。
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新型コロナ、国産のワクチンや治療薬どうなる? 認知症薬にも注目
2021年の医薬品業界の話題は何といっても新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)向けのワクチンだった。米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナ、英アストラゼネカと英オックスフォード大学の3陣営が開発したワクチンの使…
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ネット通販の好調続く? 楽天、ヤフー、アマゾンに挑むメルカリ
テレワークの浸透やEC(電子商取引)の利用増加など社会のデジタル化を一気に加速させた新型コロナウイルスの流行。2022年は「ウィズコロナ」「アフターコロナ」へ向けてさらにネット、メディア関連業界が変化する1年となりそうだ…
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自治体の“使えるデジタル”、鍵は高齢者 DX普及へ官民総力
地方自治体にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化は待ったなし。課題の一つが高齢者のデジタルデバイドの解消。22年は官民挙げて高齢者を巻き込む取り組みが広がりそうだ。
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大再編のNTTを追うKDDI、ソフトバンク 楽天モバイルは正念場に
「NTTドコモとNTTコミュニケーションズ(NTTコム)が一緒になることで、モバイルからサービス、ソリューションへと事業を拡大する。競合他社が持っていた武器をやっと手に入れることができた」。ドコモの井伊基之社長は2021…
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自動車部品、EVシフトで異業種が攻勢 日本電産、クアルコム…
自動運転に欠かせないセンサー技術やソフトウエアなど、次世代自動車の領域に強みを持つスウェーデン企業のヴィオニア。同社をめぐる買収合戦が2021年夏に繰り広げられた。
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脱炭素の航空燃料に必須 廃食油が争奪戦になる日
あらゆる産業の浮沈を握る潮流、脱炭素。航空分野では思わぬものが燃料の原材料として注目を浴びる。飲食店などから出る廃食油がそれだ。2022年以降、争奪戦になってもおかしくない。
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[家電]半導体不足がゲームに影響 白物家電は特需が一巡
世界的な半導体不足が、家電産業に影を落としている。快走してきたゲーム機器も、いったん成長速度が鈍るかもしれない。
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半導体、人権…自動車・電機揺さぶるサプライチェーンパニック
2022年は新型コロナウイルス禍で停滞したヒト・モノ・カネ・情報の移動が本格的に復活する。ただ、自動車や電機産業では資材不足やコスト高が依然、業績回復の重荷となる。ESG(環境・社会・企業統治)対応も含め、サプライチェー…
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2022年はこんな年! 物価から国際政治まで10のトピックを徹底予測
日本の新型コロナウイルス感染者は激減し、観光地で旅行客が増えるなど、経済の本格回復が始まったかに見えたが、11月末、変異型「オミクロン株」の出現で状況は一変した。新型コロナによるリスクの大きさを改めて意識せざるを得ない中…
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新築マンション、首都圏で平均7000万円突破の現実味
新型コロナウイルス禍の2年間でテレワークが定着し、職場から離れた地域に家を持ちたいという人が増えた。そうした分散の動きがある一方、首都圏のマンションへの需要が急増中。2022年の不動産市場はこれまで以上に動きが激しくなり…
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ビル・エモット氏「環境対策への公共投資が成長の鍵に」
新型コロナウイルスの感染拡大で経済が縮小した欧州では、各国が環境投資の拡大で景気回復を図ろうとしている。ドイツの新政権でも、同様の政策を持つ緑の党が存在感を高めている。欧州の復興計画や政治経済の見通しについて、国際ジャー…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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