経営学などの「教科書」を活用する企業の強さに迫る本連載。第4回までは星野リゾートやYKKなどの企業の取り組みと複数の経営学者へのインタビューから、活用法を探ってきた。

 第1回「星野リゾート代表『100%教科書通り』の経営が会社を強くする
 第2回「優れた経営者は“自分の業界以外”でも鋭く分析できるのはなぜ?
 第3回「YKK「ファスナー世界トップ」への躍進を支えたコトラーの教え
 第4回「入山章栄氏「経営に正解はない。優れた経営者は考え続けている」

 第5回はアウトドア用品を手掛けるスノーピークを取り上げる。同社の山井太会長は毎年キャンプのテントで多くの日数をすごす一方、海外の経営学の論文などを25年以上読み続け、いろいろな理論を経営の参考にして、スノーピークを成長させてきた。

スノーピークの山井太会長(写真=栗原克己)
スノーピークの山井太会長(写真=栗原克己)

 スノーピークは「スノーピーカー」と呼ばれる熱狂的なファンが多くいることで知られている。本社を置く新潟の燕三条地区はものづくり工場が集積。同社は地の利を生かしながら、機能やデザインにこだわったハイエンドなアウトドア製品を開発する。スタッフと一緒に泊まりがけでキャンプを楽しむイベントも開催しながら業績を拡大し、売上高は約167億円(2020年12月期)となっている。

スノーピークが手掛けるテント(上)と焚火台
スノーピークが手掛けるテント(上)と焚火台

 ビジネスモデルの礎を築いたのが現在、会長を務める山井太氏だ。山井氏は「私は経営を卓越した常識のかたまりにすべきだと考えている。そのためには世界の経営学者の論文を読むのは有益であると考え、実際に経営に生かしてきた」と話す。

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