長崎市に本社を置くスタートアップ企業、カブクスタイルは、毎月定額で国内外の宿泊施設に滞在できる“旅のサブスク”「HafH」(ハフ)を展開し成長が続く。砂田憲治代表は経営学の教科書などから受けた刺激を実際の経営に生かしてきた。

サブスクリプション(継続課金)サービスがさまざまな分野に拡大している。“旅のサブスク”を展開するカブクスタイルのユニークなビジネスモデルに大手企業も注目。鉄道や航空会社との企画を次々と打ち出す。
砂田氏は大学卒業後、外資系金融機関を経て、カブクスタイルを立ち上げた。「起業後は多忙で、なかなかまとまった読書の時間がとれない」という砂田氏だが、前職在籍時は月1、2冊ほどの本を、主に電車や飛行機で移動するときに読んできた。取引先の経営者らからの勧めをきっかけにしながら「これは」という本を見つける。すると今度はその本の参考文献などを手がかりにしながら「チェーンでつながるように」次に読む本を見つけて読み、興味のある分野の知識を深掘りしてきた。
本はインターネット経由で注文することが多いが、読むのは電子書籍ではなく紙の本が中心だ。経営学者らによる経営学の教科書が多く、経営者の書いた本や仕事のハウツー本はパラパラめくるくらいだという。「経営学者の本はあくまでも科学に基づいている。真摯に研究に向き合った成果であり、そこにはポジショントーク(自身に都合のよい発言)などがない」(砂田氏)。最近では「役に立つと思った本」を読み返すことが増えている。
米国の経営学者デービッド・アーカー氏による『ブランド・エクイティ戦略』は、砂田氏が今、まさに読み返している1冊だ。同書はブランドを持続的な競争優位を実現する経営資産(エクイティ)と位置づけ、その創造・維持・防衛といった管理方法を分析・解説する。
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