さらば悲観論! 明るい見通しを持つ理由

 2000年当時に私が持っていた日本に対する非常に暗い見通しは、残念ながら的中してしまったといえます。

 しかし今、私は日本の未来について明るい見通しを持っています。

 それは、2000年頃にアメリカで起きた変化と似たような動きが日本でも見られ始めているからです。

 近年は日本でもベンチャー企業が上場し、起業家が社会的にも経済的にも成功するケースを目にすることが増えています。また超優秀層の中で、大企業や官庁には目もくれず起業にチャレンジする人も目立ってきました。

 もちろん大企業神話や官庁神話が消え失せたわけではありません。しかし、かつてのように起業家であるというだけで「怪しい得体のしれない人」扱いされることはなくなり、起業は「まともな大人」の選択肢のひとつになったといえます。

 経済産業省がスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」を推進するなど国を挙げてベンチャー企業を支えようという機運が高まっているほか、ユニークなベンチャーキャピタルの存在感も増してきており、起業家を支える社会的なエコシステムができあがりつつあるのです。

 起業家が世に出るには少し時間がかかるので、まだ広く一般に知られていない人たちがたくさんいます。これからは、この世代の若手経営者がどんどん注目を集めていくことになるでしょう。

ジョブズ、ベゾスに匹敵する天才が誕生

 もちろん、大学で学生たちを教えていると「日本の若者たちは全般に保守化が進んでいる」と感じることが多いのも確かです。

 2000年頃には、隕石が落ちてきてもその場を動きそうにない「何もしないのが一番よいと考えるタイプ」が40%ほどを占める印象でしたが、2020年の今は「何もしないタイプ」が60%ほどにまで増えたように思います。「最近の子は保守的で何事もやる気がない」という声も、今の社会を捉えた表現として間違っているわけではないと思います。

 しかしその一方、「何があっても挑戦し続けるタイプ」の学生は増えています。

 「挑戦するタイプ」は2000年頃には私が接する学生全体の0.5%ほどでしたが、近年はこれが3%くらいになっている印象があります。

 つまり、一騎当千の若者が100人中3人はいるわけです。

 実際の人数でいえば、やる気とチャレンジ精神にあふれる若者はこの20 年ほどの間に驚くほど増加しています。そしてその中には、大谷翔平選手のように、世界を舞台に勝負していくであろう起業家がいるのです。

 かつてアメリカは、スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾス、イーロン・マスクなどの「天才」の出現によって激変しました。

 私は、それと同じことがこれから日本に起こると思っています。

 今からおよそ20年後となる2040年には、日本の時価総額上位銘柄はガラリと入れ替わり、上位には今はまだ名を知られていないベンチャー企業が名を連ねることでしょう。

次ページ 居場所次第で天国と地獄に分かれる