「高校生にボッコボコにされまして…」

梶裕貴(以下、梶):映画『十二人の死にたい子どもたち』(19年)も拝見させていただきました。

堤幸彦氏(以下、堤):あそこまで若い人しか出てこない作品は初めてで、僕にとってもエポックメイキングな作品でした。でも先日、新聞の企画で高校生に見てもらったところ、ボッコボコにされまして。

:登場人物たちと同世代なのに?

:もちろん冲方丁先生の原作には、気持ちや変化、ミステリー要素が緻密に書かれています。でも僕らは、そこからエッセンスだけを抽出して2時間の映画にしなければいけないという大人の事情もある。それに、映画とは賛否両論なものです。

 ただ彼女たちは、僕の顔を真っすぐ見て言ってくれたんです。それがうれしかったですね。少子化が進んでいくなかで、はっきり意見を言えることはとても重要なこと。これからの時代を生きる術だと僕は思いました。

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