『進撃の巨人』『鬼滅の刃』など話題作が続々と登場し、活況を呈するアニメ業界。作品に登場するキャラクターの声を演じ、作品の魅力を高める「声優」は、今や「小中学生が就きたい職業ランキング」の上位を占めている。
 1500人以上がひしめく声優のなかで、人気実力ともにトップクラスといわれる1人が、梶裕貴。テレビアニメ&劇場版にもなった『進撃の巨人』で主人公のエレン・イェーガー役を演じた梶はアニメや吹替えといった声の表現にとどまらず、舞台やTVドラマにも数多く出演。登録者数が37.3万人(2021年11月現在)にもなる自身のYouTubeチャンネルで自ら企画した朗読を配信するほか、アパレルブランドのプロデュースなど、様々な形で活躍の場を広げながら、声優の魅力と可能性について発信し続けている。
 そんな梶の著書『梶裕貴 対談集-えん-』(日経BP)では映画監督の堤幸彦氏と対談している。堤氏の「仕事論」について、本書から一部を抜粋・再編集してお届けする。

 映画監督の堤幸彦氏は11月に公開された、嵐のLIVE FILM『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』で監督を務めたほか、22年1月には、50作品目となる監督作品『truth~姦しき弔いの果て~』の公開も控える。ドラマ・映画・ミュージックビデオなど、数多くの話題作を世に送り出してきた一方で、“前期高齢者YouTuber”として65歳で動画配信を始めたり、舞台演出を手掛けたりと、66歳の現在も精力的に活動している。

 そんな堤氏が興味を持ったのが、声優という職業だった。自身が演出を手掛けた朗読劇で梶の芝居に触れた堤氏は、「声優は、基本的にはマイクの前に立ってしゃべりさえすれば成立する。でも、そこでピカイチになるのは、ものすごく大変なこと」と評価。対談では、堤が作品を作るにあたって、いかに向き合い、体感しているのかが分かるエピソードが2つ飛び出した。

(写真:江藤はんな=SHERPA+)
(写真:江藤はんな=SHERPA+)

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