「後輩からもらう刺激と緊張が、自らを進化させる」

山寺:僕は、後輩たちに「いい芝居するな、さすが先輩だな」って思われたいかな。だって尊敬できない先輩って、一番イヤじゃない? だから僕にとって、梶君がいる現場は緊張するよ。

:ええ!?

山寺:うまい若手が来ると、うまい先輩がいるよりも緊張するかもしれない。だって先輩がうまいのは当たり前だからさ。

:なるほど…確かにそうですね。

山寺:だからうまい後輩の役者がいると楽しくてしょうがない。「おお、そう来るか!」と刺激をもらって、こっちもわくわくできるからね。初めて共演する後輩がいい芝居をしていると、こっそり台本の香盤表で事務所と名前をチェックするんです。僕も若い頃は先輩に名前を確認されるような役者になりたいと思ってたな。そういう現場は、お互い刺激になるからいいよね。


 「後輩からもらう刺激と緊張こそが、自らを進化させてくれる」――芸歴36年の今でも決しておごらない山寺氏の姿勢からは、どんな仕事にも通じる“成長のヒント”がある。

(構成:実川瑞穂)

人気声優・梶裕貴の対談集
エンタ界との対話から見える
トップランナーの仕事術

 声優・梶裕貴が“縁”と“演”をテーマに、声優、俳優、アニメーション監督、小説家、マンガ家、芸人などエンタテインメント界のトップランナーたちと「対談」。活動の軌跡や自身の想いも込めた渾身の1冊。月刊誌『日経エンタテインメント!』の連載に加え、書籍オリジナルで声優・下野紘との対談も。
<出演者>
樋口真嗣、神木隆之介、山﨑賢人、朝井リョウ、松本花奈、林原めぐみ、新海 誠、堤 幸彦、神谷浩史、諏訪 勝、井上芳雄、藤沢文翁、又吉直樹、澤野弘之、山寺宏一、住野よる、濱田めぐみ、朴 璐美、松本まりか、板垣巴留、谷口悟朗、鈴木 央、飯塚悟志(東京03)、倉科カナ、駒木根葵汰、醍醐虎汰朗、原ゆたか、沢城みゆき、下野紘(以上、敬称略・掲載順)

職種・キャリア・年齢を超えて
「仕事への矜持」を再確認

 「アニメや声優という職業に触れる1つのきっかけになってくれればと願っています」。著者の梶は語る。加えて本書は、全く異なるジャンルや経歴を持つプロフェッショナルたちが、仕事をする上で、何と戦い何を大切にしているのか知ることができる。年齢もキャリアも離れた者同士が、仕事の矜持を語り合い、そこで得た気づき。計30人のエンタテインメント界のトップランナーの仕事術、そのエッセンスがここにある。

この記事はシリーズ「エンタ界が注目する職業“声優”とは?」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。