『進撃の巨人』『鬼滅の刃』など話題作が続々と登場し、活況を呈するアニメ業界。作品に登場するキャラクターの声を演じ、作品の魅力を高める「声優」は、今や「小中学生が就きたい職業ランキング」の上位を占めている。
 1500人以上がひしめく声優のなかで、人気実力ともにトップクラスといわれる1人が、梶裕貴。テレビアニメ&劇場版にもなった『進撃の巨人』で主人公のエレン・イェーガー役を演じた梶はアニメや吹替えといった声の表現にとどまらず、舞台やTVドラマにも数多く出演。登録者数が37.3万人(2021年11月現在)にもなる自身のYouTubeチャンネルで自ら企画した朗読を配信するほか、アパレルブランドのプロデュースなど、様々な形で活躍の場を広げながら、声優の魅力と可能性について発信し続けている。
 そんな梶の著書『梶裕貴 対談集-えん-』(日経BP)では、ベテラン人気声優・山寺宏一氏と対談している。幅広く、かつ長く活躍を続ける山寺氏の「仕事への心構え」について、本書の一部を抜粋・再編集してお届けする。

「うまい若手が来ると、緊張する」

 梶が子どもの頃から憧れていた大先輩・山寺宏一氏は『マスク』のジム・キャリー、『ファイト・クラブ』のブラッド・ピット、『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィー、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のトム・ハンクスなど、数々の洋画や海外ドラマで吹替えを担当。アニメ『ルパン三世』シリーズの銭形警部役(2代目)や、『かいけつゾロリ』のゾロリ役、そしてディズニーキャラクターのドナルドダックの日本版声優でもある。

 そして山寺氏は、早くから声優業のみならず幅広いジャンルで活躍している1人だ。朝の子ども向け番組『おはスタ』では“やまちゃん”として初代MCを勤め、最近は連続テレビ小説『半分、青い。』『なつぞら』『おかえりモネ』の3作に出演。朝ドラ俳優としても幅広く認知されている。

 多くの若手声優が様々な分野で活躍する現状をどう見ているのか。

 「うまい若手が来ると、うまい先輩がいるよりも緊張するかもしれない」

 現在60歳の山寺氏がこう語る真意とは?

(写真:能美潤一郎)
(写真:能美潤一郎)

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