中国当局が配車サービス最大手の滴滴出行(ディディ)に対し、米ニューヨーク証券取引所からの上場廃止計画をまとめるよう求めている。米ブルームバーグが11月26日に伝えた。滴滴は6月末に米国上場を果たしたばかり。保有するデータの取り扱いを巡って当局からにらまれており、窮地に陥っている。

滴滴出行は自動運転技術の開発も進めている。(写真:Featurechina/アフロ)
滴滴出行は自動運転技術の開発も進めている。(写真:Featurechina/アフロ)

 きっかけの一つは2月末、ある報告書が公表されたことだった。

 「iPhoneユーザーは滴滴出行で『アップル税』を支払っている。高い料金のクルマが割り当てられる可能性が高い。割引の額も確率も低い」。手掛けたのは上海復旦大学の孫金雲教授が率いるチーム。複数の配車サービスの運用状況を実地で調べた上で、一部の利用者が不当に扱われていると指摘した。

 滴滴のアプリは、通常のクルマと高級車を同時に呼ぶ機能を持っている。その場合に実際にどちらが配車されるかは、滴滴が決定する。孫教授のチームはiPhoneとアンドロイドのスマートフォンを使い、上海や北京など5都市で800回以上の同時注文を繰り返した。その結果、iPhoneでは32%の確率で高級車が配車されてきたのに対して、アンドロイドスマホはわずか11%だった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3408文字 / 全文3925文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「私の知らないネット上のワタシ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。