ネット上では、私のあずかり知らないところで、私に関する情報が蓄積されている。ただよく考えると、そもそも私の個人情報って何だろう。海外事情にも詳しいインターネットイニシアティブ(IIJ)の鎌田博貴氏に「基本のキ」から分かりやすく解説してもらった。

インターネットイニシアティブ(IIJ)ビジネスリスクコンサルティング本部副本部長の鎌田博貴氏。個人情報とは「識別され得る個人に関する情報」だと教えてくれた
インターネットイニシアティブ(IIJ)ビジネスリスクコンサルティング本部副本部長の鎌田博貴氏。個人情報とは「識別され得る個人に関する情報」だと教えてくれた

Q1.そもそも個人情報って何?

 個人情報と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。名前、年齢、性別、住所、電話番号、勤務先……。いろいろありますね。これらは個人情報に当たるのかどうか。まずはそこから考えてみましょう。

 日本を含む世界の多くの国々では、個人情報とは「識別され得る個人に関する情報」と定義されています。同姓同名の方がいる場合もありますが、名前というのは基本的に特定の個人を識別できるので、個人情報です。

 年齢や性別、住所、電話番号、勤務先はどうでしょうか。同じ年齢や性別、勤務先の人はたくさんいますし、住所や電話番号だけを見て個人を特定するのは難しいでしょう。これらは名前という個人情報と組み合わせることで、特定の個人を識別できる場合に限り、個人情報に該当します。

 では、ブラウザーで閲覧されたウェブページの履歴はどうでしょうか。結論から言うと、EU(欧州連合)をはじめ、世界では個人情報として規制対象にする国が増えています。一方、日本の個人情報保護法は、そうなってはいません。個人情報の定義から外されているのです。

Q2.どうやって個人を特定するの?

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