人口は国力の源である。国際関係の構造は、基本的に「大国」が定め、「小国」はその枠組みの中で生き残るすべを探るしかない。コロナ禍の影響もあり、出生数がさらに減る日本は、人口急減に直面し、政府が目標として掲げる「一億人国家」の維持すら危うい状況に陥っている。このまま、我々は手をこまねいて「小国」となることを受け入れざるを得ないのか。
社会経済のあり方に深く関わり、国家存亡にも大いなる影響を与える「人口減少問題」は、根深く重大なテーマだ。厳しい現状をどう分析し、どんな手を打てばよいのか。小説形式で、多角的な視点から人口問題を論じた衝撃作『人口戦略法案』を著した山崎史郎氏が、著書の内容から3回に分け解説する。
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