日本企業の平均寿命は7年間で2倍に

出典:「日本経済新聞」2018年11月18日「小粒になった日本企業 長寿でも新陳代謝鈍く」
出典:「日本経済新聞」2018年11月18日「小粒になった日本企業 長寿でも新陳代謝鈍く」

 驚いたことに、2010~2017年の間に日本の上場企業の平均寿命は2倍以上に延びて、2017年には「89歳」になっています。先ほどの米国企業のデータとは時期がずれますが、米国とまったく逆の動きです。

 同じ時期の米国、英国、ドイツと比べても、日本企業の寿命ばかりが長くなっています。その理由としては、いくつかの仮説が考えられます。日本ではM&A(合併・買収)が少ない、起業率が低く、新しい企業の台頭による新陳代謝が起きていない、既存企業の生存能力が高い、など。

 しかし、最も大きな要因の1つが、米国で起こった「破壊的イノベーションの発生頻度が高まり、大企業の既存事業をどんどん衰退させた」という現象が日本で起きていないことにあるのは間違いないと、私は思います。世界の時価総額ランキングにおける、日本の大企業の後退ぶりがその証拠です。

日本企業の「長寿」を喜ぶべきか?

 このような企業の平均寿命の短期化は、米国で「先行」して起きているのであって、その流れは日本にも波及するはずです。企業の平均寿命の短期化が、これからも日本で起こらないとすれば、「失われた30年」も終わらず、40年、50年と続いていくはずです。

 もちろん私は、平均寿命の短期化を「目標」にせよといいたいのではありません。あくまで破壊的イノベーションが起きているかどうかの「指標」として、企業の平均寿命を使っているだけです。

 理想をいえば、日本企業が平均寿命を延ばし続けると同時に、既存企業のなかからイノベーションが生まれ、より強い企業として変革し続けるのがベストだと思います。米ウォルマートなどはその好例で、既存の小売事業にオンラインビジネスを取り込み、事業の成長トレンドを取り戻しました。このような成功事例を生むためには、日本企業にとっても、そこで働く個人にとっても、イノベーション創出の能力、スキルを身につけることが急務です。

 次回は、日本企業が過去30年間、イノベーション創出で十分な結果を出せなかった2つ目の背景事情に話を移します。

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