「アマゾンの仕組み」は日本企業と相性がいい

入山:僕も米国の大学で働いてきましたが、米国の学界というのは研究者を競争させる仕組みが巧みに出来上がっていて、だから研究のレベルが高い。競争させられる側からすると地獄のように厳しいのですけどね。

 谷さんはアマゾンだけで働いてきたわけではないですよね。だからこそ、アマゾンを客観的に分析できたのだと思います。ソニーの技術者からキャリアをスタートされた後、コンサルタントに転じて米国西海岸で活動し(米アーサー・D・リトル在籍)、米シスコシステムズ、日本GE(現GEジャパン)、アマゾンジャパンという米国のリーディング企業3社で幹部を務めている。その経験を踏まえて、アマゾンを分析しているというのも興味深い。

谷さんは、シスコシステムズ、GE、アマゾンの3社で、それぞれ在籍時に「時価総額世界1位」を体験されています。

入山:そうでしたか。今、こうやってお話ししながら「イノベーションを起こす組織に必要なものは何か?」とあらためて考えると、経営者も当然ありますが、「仕組み」と「人」なのですね。谷さんの本から判断するに、アマゾンというのはイノベーションを起こす「仕組み」を通じて、明らかにリーダー層の「人材」も育てようともしているし、現に育っているようです。

 今の日本には、仕組みづくりはもちろん、人を育てることにも悩んでいる企業が多い。だから、もしもアマゾンの仕組みをまるごとまねするのが難しいとしても、知るだけで参考になることは間違いないと思います。

 そもそもアマゾンという会社には、日本企業が学んで相性がいいところがありますよね。

どんなところが相性がいいのでしょうか。

入山:僕が「相性がいい」というのは、GAFA4社の比較において、なのですが。

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